転落の慰安夫
作者:d8d8d9d9
第二次大戦が始まって間もない頃、両親を事故で亡くして、地方の外語大学で、ひとり英語を学んでいた遠山健は、アメリカ育ちの利点を生かして、英語の外交文書の翻訳で生計を立てていた。
亡くなった父の外務省勤めの友人から送られてくる、その英文文書は明らかに超極秘のもので、遠山健はある日、突然訪れた憲兵にスパイ容疑で逮捕されてしまう。
拷問まがいの厳しい尋問に耐え兼ねた遠山は、つい、相手に迎合する応答をしたのが間違いで、有罪の判決を受け、終身刑の代りに五年の間、兵士達の性欲の処理に奉仕する慰安婦達の慰み物として"慰安夫"の役割を果すことを強制された。
「……毎日、兵士達の性欲に蹂躙される女達には、何か、精神的な吐け口がいる……さもないと、気が狂う女が出てくるんだ……君は、その吐け口の役を務めるんだ」
彼の裁判を担当した法務官の宣告を受けた遠山は、東京の郊外にある陸軍慰問班の施設で、三十人余りの若い慰安婦達に、国を裏切つた憎いスパイとして連日嬲りものにされたのだった。首輪をはめられ、四つん這いになった遠山は、犬として次々と女達の尻臭を嗅がされる。そして、汚れた足裏を舐めさせられたあげく、女達の小水をかけた残飯まで食べさせられた。
しかし、いちばん辛かったのは、兵士達のザーメンで汚れた女達の股間を舐め清めさせられたことである。連日続くそのおぞましい行為は、遠山を文字通り生地獄に落し、次第にその人間性を奪っていった。
女達の方も、自分達の尻の下で屈辱にもだえる遠山を毎日見ている内に、彼を心底から蔑み、横柄な態度をとる様になった。
不思議なもので、遠山の方は、それに反比例するかの様に、オドオドした卑屈な言動が身についてくる。
女達の前では、さながら蛇に睨まれた蛙の様に、すくみ上ってしまって、口答えはおろか、まともな口がきけなくなってしまった。
陸軍慰問班に属する三十人の女達は、十人づつ三グループに分かれて交代で三日に一回、自が最高六人の兵士を相手にする。日曜の代りに毎週月曜が休みなので、ひとりが、週二日の動務となっていた。それも正午から始めて夕刻八時には終り、遅めの夕食となるのが常だった。
従って、遠山に課せられた、セックス後の女の股間を舐め清めるというオゾマシイ作業は、もっぱらこの時間帯に集中する。
二階の十の個室にまたがって設けられた窓外のバルコニーを、非番の女達の監視のもとに、四つん這いでうろつく遠山は、各部屋の窓の灯りを絶えず見て回るのだった。
そして、客の在室を知らせる灯りが消えると、直ちに床の通気孔から仰向けに首を差し入れ、室内で待ち構えていた女の股間を顔に受ける。そして、女の尻にこづかれながら舌を動かした。
最初は、屈辱とオゾマシさで気が遠くなる思いだったが、毎日、それを五十から六十回も繰返す内に、一ヵ月もするとその生臭い臭いにも慣れ、唇に
押し付けられた女の膣孔を吸って、ドロッとしたラブジュースを飲み込んでも、吐気を催さなくなっていた。
この建物の一階の食堂の隅には、ブリキ製のたらいが置がれてあり、夕食を終えた女達は、そこへ残飯を投げ込む。
戦時中の物資不足の頃なので食事は粗末なもので、しかも食欲旺盛な女達の残すものといえば、口の中でしゃぶった骨や魚の尻尾のたぐいである。
しかも、遠山が食べるのを許される前に、それには女達の小水がたっぶりかけられるのだった。
それでも、毎日一回しか食物を与えられない遠山としでは文句を言えず、女達の嘲笑を浴びながら、犬の様に四つん這いのまま舌を出して黙々とすすり込む。
こうして三ヵ月が過ぎた頃、慰問班の全員に、突然、外地勤務の命令が出た。
もともと陸軍慰問班の使命は、戦地でセックスに飢えた兵士達が土地の女達に手を出して悪い病気にかかったりする事態を防ぐことにある。
従って、内地勤務は、あくまで訓練であり、仮の姿なのだった。
三十名の慰安掃から成る慰問班の一隊は、専従の看護婦が隊長となり、それに慰安夫の遠山が加わる。
元スパイの汚名を着せられ、もっぱら慰安婦のしもの清め役に使われる遠山は、人格を認められぬ哀れな存在だった。
粗末なボロを身にまとい、首輪の鎖に曳かれ四つん這いで従う彼を、人間扱いする者は誰もなく、少しでも遅れると容赦なく女達から足蹴にされた。
外地と言っても、戦線の拡がったこの頃では、南方の島か東南アジアの一帯しかない。
慰問班はその性格から、一ヵ所に留まるのではなく、前線の部隊から部隊を訪問して回るのだった。
移動が多いから荷物は制限される。
しかも物資不足の折柄、紙類は一切入手出来なかった。
従って、遠山の出番が当然増える。遠山は、女達に"ケン"と呼ばれると、主人に呼ばれた犬さながらに、尻を振りながらヨタヨタとその足元に這い寄り、女達の股間の汚れを舌で清めさせられた。
それも、セックスの後始末だけではない。
紙が入手出来ない彼女等は、遂に遠山の舌をトイレの後始末に使う様になったのである。
皮切りをやったのは、隊長の専従看護婦、山本麗子だった。
彼女は、看護婦としての経験も長く、最近は、婦人科医としでの勉強もしていたので、慰安婦達の健康管理役を兼ねて、隊長役を務めている。
年の頃は、やっと三十を越したところで、二十代がほとんどの慰安婦達に対しては、年長者としての抑えもきき、キビキビした性格なので、リーダー役としてはうってつけだった。
それに、かなりの美人である。
加えて、昔、体操の選手をしていたというだけあって、中背だが抜群のスタイルだった。
その容貌が、遠山がかって思いを寄せていた女性に似ていたこともあって、彼はこの頃、彼女に淡い恋心さえ抱き始めていた。
しかし、山本麗子の方は、その彼の心中を知る由もない。
四つん這いで一行に従う遠山に対しては、
時折、穢らわしいものでも見る様な蔑みの視線を当てるだけで、無関心を装っていた。
「ケン、一寸、私についておいで」
隣り村の部隊に合流するための行軍の途中、小休止をとった時に山本麗子が突然、遠山に声を掛け、彼の首の鎖を曳いて傍の林の中へ入って行った。
何か胸のときめく思いで従った遠山の前で、麓子は恥かしげもなく、パンティを下ろすと、白桃の様な尻を彼の目の前に曝してしゃがみ込み、用を足し始めたのである。
それも小水が終ると、続けて、軽いいきみ声と共に派手な排泄音を立て出した。
途端に、臭気があたりに拡がる。「……」
「私ね、判るの……この頃、お前の私を見る目が妙に熱っぽいわ。どうやら、お前は私に気がある様ね……フフフ、ホラ、赤くなった!……でもね、お前、身の程を知りなさい……何さ、女の、それも、慰安婦達のしもを毎日ペロペロ舐めさせられてさ! それでも男?……違うわ。お前は男でもなければ人間でもない。犬よ! いいえ、犬以下だわ……それを、今日は、お前に思い知らせてやるわ」
用を足しながら、冷たい笑みを浮かべて遠山を見据える麗子の顔は、鼠をなぶる猫の余裕を示していた。
しばらくして、足を伸ばし中腰になった麗子は、遠山の首の鎖をグイと引く。
「ケン、おいで……ここへ来て、後始末するのよ!」
先程からの辱めに目を赤くして這い寄った遠山は、目の前にうず高く積まれた彼女の汚物に、あたりの砂を掛け始めた。
「馬鹿!……そんな後始末は後で良いわ……まず、私のお尻の後始末をしなさい……もちろん、お前の舌を使うのよ……そうそう、その調子!……プッ、お前、泣いてるのね……口惜しい? クックックッ」
激しい屈辱に目も眩む思いで、麗子の尻割れ近くに顔を寄せた遠山は、不潔感を懸命にこらえながら、プーンと異臭を放つ褐色の糊で覆われた女の菊座に舌を這わせた。
「その調子よ……お前、なかなか上手じゃないの……草や木の葉で拭くよりも、ずっと気持良いわ。これからも、毎回使ってやるからね……フフフ、これで、お前が犬以下だってこと、よく判ったでしょう?」
麗子の言葉に打のめされた遠山は、スゴスゴと皆の所へ戻る。
「さあ皆さん、集まって……ケンから、お願いがあるそうよ」
麗子は、皆を呼び集めると、遠山を見やってニッと笑う。
林の中で、麗子の辱めを受けた後、皆に報告をする様言い含められていたのだった……それも、彼にとって、文字通り生恥を曝す言葉を口移しに覚えさせられていた。
「い、いま、そこで……隊長に……ト、トイレのあとを……それも大の方の後始末を舌でする様……め、命じられました」
遠山は恥かしさに真っ赤になって、どもりながら続ける。
「と、とても、私にふさわしい仕事だと思いますので、……わ、私からお願いして……これからも……それに、それに……み、みなさんにも同じ様に……つ、使って頂きたいと思います」
ワ
ーッと皆から歓声が上った。
「ケンの舌をトイレットペーパーにするなんて、さすが隊長だわ!」
「そう、私達のおしもの清め役としては当然かもね」
「そうだわ……トイレットペ——パーは、トイレの中にあるものでしょう……だったらケンの口は、さしずめトイレってところよ」
「プッ……それじや、ケンの胃袋は肥溜めってわけね」
女達は、口々にはやしたてる。
遠山の顔は、さすがに真っ青になった。
「皆さん……ケンの口をトイレに使うのは、私の許可が出てからにして下さい……でも、本人の……フフッ、たっての願いですから、ケンの舌をトイレットペ——バーとして使うことは認めます」
山本麗子は、ニヤニヤ笑いながら皆を制した。
それからの遠山は悲惨だった。
小休止の度に、用を足す女達の股間を、大小に拘らず清めさせられるのである。それは、宿舎に着いてからも続けられ、以後、遠山の新しい"任務"として定着してしまった。
その事件の延長と言っても良い出来事が間もなく起る。
これも、隊長の山本麗子が引金を引いた。
慰問班が前線部隊の天幕の中で朝食をとっていた時である。
天幕と言っても、大型のテントを繋ぎ合わせただけで、中には筵が敷いてあり、女達はそこに腰を下して朝の雑炊をかき込んでいた。
依然として、夕食しか与えられない遠山は、テントの柱に鎖を繋がれ、皆の食事を羨ましげに眺めていた。
少し遅れて入って来た山本麗子が、遠山の鎖を掴むと、筵の上へ上り彼を足で転がして仰向けにして、その顔に跨がったのである。
自分の股の間からわずかに覗く遠山の目を、ジッと見下ろしながら、麗子は、おもむろにスラックスをパンティごとずらし、局部を彼の口に密着させた。
「私ね、今朝、突然生理が来たの……綿花を切らしちゃったからお前がその代わりをするのよ。いいわね」
麗子は、そう宣言すると、彼を尻に敷いたまま朝食をとる。
哀れなのは遠山だった。
口の中へは、塩味の強い経血がポタポタと落ち、麗子が尻を揺する度にかなりの量が流れ込んでくる。
生理の最初の日は、量が多いと聞いてはいたが、彼とても、これほどとは思ってもみなかった。
喉を焼くその味もさることながら、男の身で女性に跨られて経血を飲まされているみじめさが胸を突いた。
しかも、皆の目の前である。
「アラー、隊長の生理のおつゆが、ケンの朝食になってるぅ……」
「見て、見て! ケンの股の間よ……そら、膨らんでるわ」
「いやらしい!女の汚れを吸わされて興奮するなんて」
それは、遠山自身でも予想外のことだった。
汚辱に塗れたその最中に、股間がテントを張ったのである。
恋心を抱く女性に極度の屈辱を与えられた時に、彼の心に潜む倒錯の性欲が刺激されたのに違いなかった。
「こいつ、変態よ……女に嬲られて興奮するなんて最低!」
女達の軽蔑は頂点に達した。
この事件以来、食事時にはきまって生理の女性
が、彼を尻に敷く習慣が生まれたのだった。
何せ、三十人からの若い女達の集団である。
常に何人かが生理に当たっており、遠山は夕食の時以外は女の尻に顔を敷かれて、赤い汚物を食物代わりに口にさせられるようになった。
ところで、前線の部隊を次々と訪問する慰問班にも、口に尽くせぬ苦労がある。
殊に、兵士の性欲の処理を目的としているだけに、内地と違って設備の無い戦場では、戸惑うことばかりだった。
第一、ことを行う個室がない。
止むを得ず、携帯用のテントを並べて張り、ことが進行中であることを知らせる灯りの代りに、入口に小旗を立てることとした。
兵士が去ると、旗が倒れ、慰安夫の遠山がテントの裾から顔を差し入れて女の股間の始末をするのである。
もうひとつの悩みは、需要と供拾のアンバランスだった。
短期間に部隊の兵士全員を満足ざせようとすると、女達の数が足りない。
従って、生理中以外の女達は全部が動員された。
勢い、テントの数は二十を超え、女達は、それぞれ一日に十人を超える相手と性交渉を持たされた。
遠山も、計算すると、一日で二百回以上も女達のラブジュ——スを飲まされる勘定になる……臭いゲップは出るわ、胃がもたれるわで、遠山も受難の連続だった。
ところで、ひとつ予想外の事態が生じた。
隊長の山本麗子が、女達の生臭いセックスを目のあたりにして、完全に欲求不満に陥ってしまったのである。
この後始末も、結局は遠山のところへ回って来た。
「ケン、今晩私のテントにおいで……フフフ、お前、何を驚いてるの? バカー、私にとってお前は犬以下だって言ったろう。お前とセックスするぐらいだったら、犬や豚とする方がマシだわ……もちろん、お前は女のおしも専用。毎日、私のお尻の汚れを舐めてるくせに、身の程を知るがいいわ……だから、今夜は、お前の舌を存分に使ってやるの。いいわね!」
麗子の言葉通り、その夜、遠山はひと晩中、顔を彼女の股間に挟まれて、舌の付根が腫れ上る程、奉仕を強制されたのだった。
これを機会に、麗子は、毎週の様に彼の舌を自分の性欲の満足を得るために使う様になる。
そして、それに留まらず、彼女は遠山に外の女にも同様の舌奉仕をする様要求した。
もちろん、それは兵士達とのセックスで飽和している同じ班の慰安婦達へではない。
時折、部隊で出会う芸能慰問班の女性タレント達や、野戦病院の看護婦達のためにだった。
彼女等は、長期間の前線勤務でストレスが溜っており、麗子が、デモンストレーションの目的で、彼女等の目の前で遠山の顔を尻に敷き使ってみせると、一様に強い興味を示した。
そして、ふたりにひとり位の割合で話合が成立し、遠山の舌奉仕の見返りとして、色々な物資が麗子の懐に入るのだった。
気心を知った……と言うより、尻の味を知らされた女達と違って初対面の女に、長時間舌奉仕させられる幸さは格別だった。
その時には
、安全のためと称して、彼は後手に手錠をはめられ、身体の自由を奪われた状態で相手の女にさし出され、思いのままに嬲られるのである。
女達は、遠山のみじめな毎日の生活を知り、元スパイと聞かされると、蔑みと敵意を露わにして彼に辛く当った。
若い看護婦のグループが、皆の目の前で、遠山に輪姦ならぬ輪舌奉仕を強要した時などは、口惜しさで身体を震わせながら舌を動かしたものだった。
東南アジアの戦線から、南方の島へ移動する船の中で、遠山は、遂に女達の排泄物をそのまま口で受けさせられる羽目に陥った。
即ち、軍の兵器輪送が本務であるその船では、廊下にも梱包した兵器が置かれ、トイレへ容易に行けないのである。
舌を女達のトイレットペーパーにされた時に予告されたこととはいえ、現実に麗子がその目的で遠山の口に局部を押し付けた時には、さすがに涙が止まらなかった。
とうとう女の便器にされるのかと思うと、情けなさと口惜しさが一斉に噴き出したのである。
女達に囲まれた中で、麗子の尻に顔を敷かれた遠山は、小水を飲み込む度に嗚咽を洩らし、固形物を咽喉に送り込まれた時は、身を一杯に捩らして悶え抜いた。
しかし、彼を常に犬として扱い、元スパイとして迫害した女達は一切同情を示さず、転落した彼の身を嘲笑するばかりである。
さすがに哀れを催した麗子は、彼を便器として使用するのは、一時間にひとりのみと制限した。
それでも、抵抗を封じるために後手錠で横たわる遠山は、時間を待っては彼の顔に跨がる女達の尻の下で、地獄への転落にもだえ、涙するのだった。
阿部先生作品。网上已经很难找到了,也懒得去翻。日文好的看看。偶会在博客陆续推出先生的一系列大作。
転落の慰安夫(前編)1941年に、あの第二次世界大戦が勃発して間も無い頃のことである。日本は、国民皆兵を合言葉に、総力を挙げて戦争を勝ち抜こうと、巷には熱気が漲っていた。急速に広がった南方戦線には、次々と兵士が送り込まれ、それを支える民間……その頃は「銃後」と呼ばれた内地の一般市民は、毎日の生活にも軍事色の濃い、所謂戦時体制を強いられていた。
愛国心の高揚のため、戦争目的に疑問を抱く者や、自由思想を持つものは、徹底的に弾圧された時代である。英語の勉強ですら、敵性語のレッテルを貼られ、学校の科目から外される始末だった。従って、敵国に情報を流す所謂、スパイには、最大級の憎しみが向けられていた。 その頃、地方の外語大学で英語を専攻していた遠山健にとっては、文字通り肩身の狭い毎日であった。
彼にとって、更に状況を不利にしたのは、彼の生立である。遠山の父が外務省に勤務していた関係で、幼時の大部分をアメリカで過した彼は、現地の中学で学んでいた頃に、両親を事故で亡くし、傷心のうちに単身帰国したのだった。暫く郷里の親戚の家に身を寄せた彼は、得意の英語力を活かして、独学で高専の検定試験をパス
し、郷里を離れて地方の外語大学に進んだ。大学の寮生活の傍ら、翻訳の仕事で生計を立てていたが、幸い父の昔の知合から外務省の仕事を貰い、最近では授業に出る以外は、専ら書留で送られて来る外交文書の翻訳に掛かり切りだった。
極秘の印が押された分厚い英文の書類の中には、国際外交の舞台裏が窺がわれる様な機密文書も混っている。翻訳のペンを走らせながら、遠山の胸が興奮で高鳴る様な際どいものまであった。 しかし、それが禍のもとだったのである。或日彼は突然、憲兵の訪問を受け、翻訳中の文書と共に地方の軍事本部まで連行された。
そして、ロクな取調べも無いままに、建物内の獄舎に監禁された。後から聞いた話では、遠山に翻訳の仕事を回してくれていた外務省の父の友人が、機密漏洩のかどで逮捕されスパイ容疑で取調べ中、ノイローゼになって首吊り自殺を遂げたとのことである。 それが、自ら有罪を認めた証拠ととられ、遠山がその一味と見做されたのだった。 それに、押収された文書が、超極秘のものばかりで、それを、たまたま、翻訳のため所持していた遠山健は、明かにスパイと断定されてしまった。
一週間程して取調べが始まったが、頭から有罪と決めつけて拷問まがいの厳しい尋問が続く。 たまりかねて、相手に迎合する応答をしたのが誤まりで、軍政下の略式裁判で、遠山の有罪が確定してしまったのである。東京に移送されることになった夜、彼は、裁判を担当した法務官の許へ密かに呼び出された。
「君のことだがね……有罪は確定したが、どんな刑に服するかは未定だ。と言うより、これから東京で政治犯として改めて審議されることになっている……君の場合は、国の運命を左右する超極秘の文書が係り合っているので、最悪、死刑ということになるか知れない」
「な、なんですって!……し、死刑とは……あ、あんまりです。第一、僕は、……む、無罪なんです!」動転した遠山を冷やかに見詰めながら、法務官は言葉を続けた。
「それでだ……もし君が、これから申し渡す処分を受けることを承諾すれば、政治犯としての審議から除外されるんだ……実は、最近、政治犯の数が急増して、その審議はもとより、収容する刑務所も満員だ……我々としても、地区の裁判で犯人が有罪を認めて刑に服すれば、中央での審議が省略出来て、大いに助かるんだよ」「……」
「そこで、君の刑だが、素直に有罪を認めれば、死一等を減じて、無期懲役と言いたいところだが、さっきも言った通り、政治犯の服役する刑務所に空きが無い……従って、これから五年間、軍の慰安班に所属して慰安夫として勤務して貰うことにした」
「じゃあ五年……五年間でいいんですか?」遠山の声に力が入る。
「そうだ……しかし、軍の慰安班というのは、兵士の性欲処理を目的とした、所謂、慰安婦達のグループなんだ……そこで、君は、唯一の男性として、兵士の性欲処理に奉仕する女性達の吐
け口になるんだ」
「は、吐け口ですって?」
「ウム……毎日兵士の性欲に蹂躙される女性達には、何か精神的な吐け口が要る……さもないと気が狂う女が出てくるんだ……具体的には言えんが、慰安婦達の……いわば慰み物が必要なんだな」
「慰安婦達の慰み物とは……ひどい!」「勿論、君は無罪を主張して、東京で軍の審議を受けることも出来る……だが、さきに言った様に、死刑か、それを免れても無期懲役は間違いないな」法務官の説明には、一応の説得力があった。遠山は、泣く泣く有罪を認め、慰安夫に身を落すことを、承諾せざるをえなかったのである。
東京に移送された遠山は、直ちに郊外の陸軍慰問班の施設へ連れて行かれた。高い煉瓦塀に囲まれたその施設は、警戒も厳重で、まるで刑務所である。昔は精神病院だったとかで、窓々には鉄格子が嵌められていた。慰安婦達は、総勢約三十名で、毎日十名が勤務についている。
つまり、各自が三日に一日の勤めであった。殆どが農家出身の若い女達で、お国のためと言い含められ、可成の報酬と引き換えに兵士達に身体を提供するのである。軍の所属と言うことを除けば、民間の売春婦と、何等違うところがなかった。勤務中は、各自がベッド付の小さな個室に入り、次々に、欲望に目を光らせた兵士がそこへ送り込まれる。
時間は三十分と決められてをり、その後一時間の休憩をとることが許されている。従って、彼女等は、一時間半に一人の割でセックスの行為を繰返す。そして、最大、一日に六人までを相手にするのだった。遠山は、到着早々、食堂へ連れて行かれ、仕事を終えて夕食をとっている女達に紹介された。
「これが、皆さんに奉仕する慰安夫の遠山健です……正規の訓練を受けるひまが無かったので、ここの皆さんで充分仕込んで下さい」女所長の紹介で、遠山に女達の視線が集まる。
「それと、この男は我が国の重要な機密を外国へ売った売国奴なんです……死刑になるところを、お情けで、ここへ送られて来たのですから、その罪を償なわせる意味で、皆の手でたっぷりと罰を与えて下さい」
途端に、皆の間にザワメキが起った。「所長、じゃあ、この男は敵のスパイなんですか?……だったら、すぐに死刑にすべきだと思います」「そうだわ……私達が、お国のために犠牲を払っているのに、国家の機密を敵に売るなんて許せない!」「死刑に出来ないんだったら、私達の手でうんと懲らしめて、〝いっそ死んだ方がましだ〟って、こいつに思わせてやりましょうよ!」
「賛成……皆で、なぶりものにしてやりましょう!」女達の赤い気炎を耳にして、所長の傍に立たされている遠山の全身が、恐怖で震えた。
「皆さん、静かにして下さい……この男は、五年間でその罪を償うのです。今日から激しく皆にいじめられて身体でもこわしたら、病院行きになって懲罰を受けることが出来なくなりますよ」
「所長、大丈夫ですわ……私達、こいつの
身体をいためつけるんじゃなくって、精神的にいじめてやります」「そうだわ、うんとみじめな目に合わせて、思い知らせてやりましょうよ……ねえ、みんな!」食堂に集まった三十人の女達の熱気がムンムンして、遠山は圧倒されるばかりだった。 お国のためと言い含められているとはいえ、兵士達に身体を捧げ、ただでさえ毎日みじめな思いをして暮している女達である。
そのはけ口に〝売国奴の懲罰〟という恰好の口実のもとに、自分達の自由になる若い男が与えられたのだから女達が興奮するのも無理なかった。男に身体を自由にされる仕返しに、別人ではあっても一応〝男〟を征服して溜飲を下げることが出来る……それは女達にとって、この上もない憂さ晴らしであり、楽しいリクリエーションとも言えた。反面、たまらないのは遠山の方だった。無実の身でありながら、スパイの汚名を着せられて、五年間もの間、女達になぶり抜かれるのである。
こんなことなら無実を主張して徹底的に争うのだったと、くやんでもくやみ切れぬ気持だった。遠山への懲罰は、早速、その夜から始まった。「お前は、ここでは、人間扱いして貰えないんだから、二本足で立って歩くことは許されないんだよ……そう何時も犬の様に四つ這いでいること……いいね!」 そして、下着だけの格好で、四つ這いになった彼の頚に、犬の首輪が嵌められる。
鎖を曳かれて、女達の間を這いまわる遠山の哀れな姿に、皆の軽蔑の視線が注がれた。「皆に、ひとりひとり御挨拶をおし……そうだわ、お前はスパイに相応しい犬の恰好になったんだから、犬の御挨拶がお似合だよ」「そう、犬はね。クンクンって御主人の臭いを嗅いで覚えるの……勿論、御主人の足もペロペロ舐めるわね」
「御主人の臭いも、足じゃ面白くないから、お尻の臭いをお嗅ぎ……フフフ、お前にピッタリだこと!」女達は、口々に遠山を侮辱し命令する。彼女等の前の床に曳き据えられ、次々に目の前に突き出される女達の、パンティーに包まれた大きな尻に顔を埋める遠山の顔は、屈辱で歪んだ。「ホラ、もっと深呼吸して臭いを吸い込むの! そして犬の様にクンクン鳴いて御覧……そうそう、ちゃんとやれるじゃない。クックックッ」
尻割れに当てた鼻孔からの悪臭に加えて、耳から入る女達の辱めの言葉が、キリキリと彼の心をいたぶる。続いて、サンダル履きで薄く汚れのついた女達の足裏を、次々と舐めさせらた。「もっと、舌を伸ばして! ホラ、舌先の力が弱いと、汚れが取れないよ……そう、その調子……なかなかうまいじゃない……お前、人間を廃業して犬になるといいよ」途端にまわりから、ドッと笑いの渦が湧いた。
苦い刺す様な味が舌を覆い、不潔感がつのる。
女性の前で生まれて初めて味わう激しい屈辱に、遠山の目は真っ赤だった。三十人からの女達に寄ってたかって尻臭を嗅がされ、足裏を舐めさせられるのである。延々と、長時間にわたって続く
そのみじめさは、到底筆舌に尽くし難いものだった。 その夜は物置に閉じ込められ、まんじりともせず過ごす……昼間の屈辱が、走馬灯の様に脳裏を駈け回り、彼の胸を掻きむしった。
その翌朝、遠山を待っていたのは、新たな想像を絶する恥ずかしめの連続だった。食堂に曳き出された彼は、ブリキの洗面器状の容器に入れられた女達の残飯を、四つ這いのまま犬の様に手を使わずに食べる様、申し渡される。昨夜は、とうとう食事抜きだったので、彼はなりふり構わず、床に置かれた容器に鼻を突っ込んだ。「一寸、お待ち!」
周囲で見守る女達の中から声が掛かり、彼の鼻先で容器が持ち去られる……再びそれが戻って来た時には、残飯を湯気の立つ黄色い液体が覆っていた。 プーンと独特の臭気がする。「ウフフ、判る? それ、私達のオシッコよ……特別に汁掛け御飯にしてあげたの……売国奴のお前には、それがピッタリの朝御飯だわ。クックックッ」残飯に顔を寄せたまま、流石にためらう遠山の後頭部を、誰かがグッと踏み付ける。
顔が、そして唇が、その汚液に一旦浸されると、遠山は、ふっ切れた様にその汁と共に残飯を啜り込んだ。「キャーッ、きったなーい! これ、犬でも食べないわよ……へえー、おいしそうにガツガツしてる。浅間しい限りね」「そう、こいつは豚なみよね……その内、私達の排泄物をすべて口にする様に仕込んでやりましょうよ……つまり、人間の皮を着たブタにしてやるのよ」 やけっぱちで汚水漬けの残飯を平らげたものの、空腹が満たされると、ドッと恥ずかしさが押し寄せて来る。
女達にブタ並とまで言われて軽蔑を現わにされると、流石に、我ながら情けなかった。女達が兵士達を迎えるのは、週末以外は、午後のみと決まっている。午前中、暇を持て余している女達は、次々と新手の辱めを考案して遠山をなぶった。皆のくつろぎの場所である、食堂に隣接するラウンジに、女達の手で大きな洗濯篭が持ち込まれて来た。
絨緞の上にそれを空けると、色とりどりの汚れたパンティーが周囲に散乱する。途端に異臭が拡がった。
「これ、私達の昨日の着古しよ……いつもは当番が交代で洗うんだけど、今日からは、お前の仕事にするわ……でも、石鹸で洗う前に、お股の汚れだけは、お前の口の中で清めるのよ……塵紙の配給が少いから、ここでは新聞紙を使ってトイレの後を拭くんだけど、それも枚数が足りないんで、みんなパンティーが汚れるの……で、毎日穿き換えるってわけ」
その解説の通り、成程、どのパンティーも股間の部分が黄褐色に変色していた。女達の蔑みの視線を受けながら、床に這いつくばってパンティーを一枚一枚、口に含んで唾で湿し、汚れを溶かしては吸い取る……その行為の恥ずかしさ、おぞましさは例えようがない。汚水漬けの朝食に続いて、遠山は、女達のしもの汚れをイヤと言うほど味わされたのだった。 いよいよ午後になると女達の内、本日
が出番の十名は兵士達を迎える準備にかかる。
と言っても、二階のベッド付の個室に篭って身仕度するだけだが、中には化粧に人一倍気を使う女もいた。二階のその個室の外側には、窓に沿って通しで木造のバルコニーが、船のデッキ風に作られている。各部屋からバルコニーには出られないが、床に可成り大きな通気孔が設けてあった。大きいと言っても、小さな子供が腹這いに成ってどうにかバルコニーから部屋へ通り抜ける程度である。
大の大人では、首や肩は通っても、腹や腰の部分は、とても無理だった。女達が個室に入ったのを合図に、遠山は、非番の女達三人の手でこのバルコニーへ曳き出された。戸惑う彼が女達から受けた指示は、将に彼を仰天させるに充分なものだった。 つまり、彼は、順々に、各部屋の通気孔から首を差入れ、女達のセックス行為で汚れた股間を舐め清める役を申し渡されたのだった。
「そ、そんな無茶なことをさせるなんて……第一、そんな不潔なことが人間に出来る筈がないでしょう!」「アラ、お前、未だ人間のつもりなの?女の排泄物にまみれるブタに身を落したんじゃなかったのかい……第一、スパイのくせに贅沢言うんじゃないよ!」女に決めつけられたものの、中々諦めのつかぬ遠山を女達は三人掛かりで端の部屋の通気孔に押し込んだ。未だ兵士達が来るには時間があったが、練習のためと言う口実である。
仰向けに寝た姿勢で通気孔に上半身を差し入れた彼は女の個室に肩から上をのぞかせた。両手は、穴の枠に阻まれて部屋の中へ入れることが出来ないので、丁度、上膊部を通気孔の枠で胸に沿って拘束された形である。部屋の中で待構えていた女は、彼が身を外へ抜かない様に、首輪の鎖をベッドの足に巻くと、おもむろに彼の顔を跨いだ。
「いいかい。女が男のものを受け入れるには、お道具に湿りが要るんだよ……お前は、舌と唇で私のお道具を清めると同時に、私に気分を出させてジュースが湧き出る様に奉仕しなさい。いいね!」
女はパンティーを取り、遠山の顔面に腰を下ろすと、彼の唇に自分の局部をピッタリと当てがった。排泄物の臭いと共に生臭い性臭がムーッと鼻を覆い、思わず頭がクラクラッとする。「ホラ、何をしてるんだい……早くお舐め!……そうそう、その調子だよ」実は未だ童貞だった彼にとって、こうした形で女性の秘所に初めて接するのは、何ともやり切れなかった。
一方的に女に征服される情けなさを存分に味わされた後、そとで待機する女達に身体を引き抜かれ、次は、すぐ隣の通気孔に押し込まれる。 こうして、全員の股間を舐め終った頃、漸く兵士達が詰め掛けて来た。「いいかい、お客が部屋に居る時には、窓のスタンドが点いてるのさ……灯が消えたら、すぐに又、さっきの様に部屋に首を突っ込むんだよ」「そう、今度は、後始末だから、たっぷりジュースが飲めるよ。フフフ」
バルコニーで待機させられている遠山に、監視の
女が口々に説明した。
「そうだ、この頃はコンドームが品薄でね。膣外射精って言うのか、ソラ、男のザーメンを股で受けることが多いんだ……だから、あそこがベトベトになるのさ……妊娠でもしたら大変だから、お前が全部奇麗に吸い取るんだよ」
「お前もオチンチンを下げた男の端くれなのにさ、こんなことまでさせられて、よく生きてられるね……しかも、これからこれが毎日続くんだよ……スパイなんかするから、生地獄に落されるんだ。いい気味さ!」
女達の嘲けりが繰返し耳にこだまする。 そして、やがてパッと灯りが消えた最初の部屋に首を差入れた遠山は、顔を覆う女の股間から、気の遠く成る様な生臭い粘液を吸わされ、情けない我身の転落を心の底から味わされるのだった。
说实话偶也想全翻过来。可那太费时费力了。以前翻过一篇花了偶半个月。呵呵。