【日文pdf】サキュバスアドベンチャー
(何だこれ……)忘れ物としても意味不明だった。落としたのなら散らばっているはずだし、置き忘れるにしても、こんな橋のど真ん中にトレーディングカードゲームの山札を置くシチュエーションが思い浮かばない。
(城の管理の事務所……はもう開いてないか。じゃあ、交番か何かに……)拾おうと手を伸ばした。そこで、那韋斗はふと思い出した。
――「なんか、道端に落ちてて、拾うとどこかへいなくなっちゃうマクガフィンの山札があるんだって」
頭の中に新聞で見た見出しの文字が思い浮かんだ。「呪いの山札」。
しかしその時にはもう、山札の端に指先が触れてしまっていた。
「!?」
目が張り裂けそうになった。夜が一気に昼になる。
実際にはそこまで明るくないのに、光量の差で脳がショックを受けてしまう。
濃い土の臭い。鳥が鳴いている。周囲に、日本とは明らかに異なる植生の木々や植物が溢れかえっていた。
温度も湿度も高く、空気全てが、世界ごと全て入れ替わってしまったように違う。那韋斗はこれまでの経験から瞬時に察知した。
(マクガフィンの「宝庫」だ……!!)何が何だかわからないが、反射的に手を前にかざした。
定められたモーションに応じて木の板、「ゲームボード」が目の前に現れ、宙に浮いた。上には見慣れたスリーブに包まれた自分の山札が置いてある。
このセットが出たということは、やはり「マクガフィン」の中であることは間違いない。
(でも何だ? これは?収戯なのか??)「えぇ~~~!『魔術師』じゃん!怖~~~!!」
女の声がして、目を向けると、那韋斗は――「えぇ!?♡」
愕然とした。
女性型モンスター。美女の容貌をしている。カード名は≪お水絞りのドリアード≫。
しかし、今の姿はあまりにも異様だった。
パンパン💚 パンパンパンパン💚 パンパンパンパンパン💚「ん゛む~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!☠😭♡♡」
裸の男が≪ドリアード≫の胸に顔を埋めながら、必死に腰を振り続けている。
パンパン💚 パンパンパンパン💚 パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン💚その腰の振り方は、同じ男として恐怖を覚えざるを得ないほど悲哀に満ち
ていた。
「ん゛~~~~~~~~💚 ん゛っ💚 ん゛っ💚 ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!☠😭♡♡」
胸の中で絶叫を上げ続けている。何を言っているかは全く聞こえないが、本気で号泣していることがわかる。
「え~どうしよっかなぁ~」
パンパンパンパン!💚 パンパンパンパンパンパンパンパン!!💚「まぁこのフィールドなら、大抵の従者より私たちのほうが有利に……」
「ん゛ん゛~~~~~~~~~~~!!♡☠😭」パンパンパンパン💚「……あ! しまった!顕現する姿、間違えた!!」
すぐに≪ドリアード≫と裸の男の姿がぼやけ――その後で、男の姿が消え、衣服をちゃんと身につけた≪ドリアード≫だけが姿を現した。
「くすくす💚 あっちは『確定済みの運命』の方の姿だった💚私の寿命の10分の1……1000年くらいの間、おっぱいで森林浴しながらお水を捧げ続けるキツツキ生活💚一度破滅の道を辿った後は、もう何があっても助からない💚 それが誘惑に負けた獲物の定め……💚」
≪お水絞りのドリアード≫が冷酷な表情を浮かべ、舌なめずりをした。那韋斗はわけがわからないといった顔で突っ立っている。
≪ドリアード≫が視線を向けた。表情は、ぱっ、と明るいものに戻っている。
「あ💚 もしかしてわかってない?💚……じゃあ、魔術師の中でも新人さんなんだねー💚 ということは、もしかしなくても楽勝じゃーん💚」
にっこりと笑い、自らのおっぱいを腕で持ち上げ、見せてくる。「たぷんっ💚」と服の下で変形する。
「ひっ♡ ひいぃぃっ♡」
那韋斗の視線がそこへ否応なく向かってしまう。
「ねぇ💚 こっち来てぇ💚キミもおっぱい好きでしょー?💚 このおっきなお胸の間で食べてあげる💚いぃ~~っぱい腰振って、気持ち良くなれるよぉ~~~?💚 私にお水ちょーだい💚 クスクス💚」
「ひっ♡ ひっ♡」
「ひいいぃぃ~~~~~♡」
那韋斗は戦闘後、何とかその場を後にした。頭の中は≪ドリアード≫のおっぱいでいっぱいになっている。後ろ髪を引かれる思いだったが、いつものように≪プレートラプター≫へ跨って、森の中の道を駆けていった。
残された森の地面。
≪ドリアード≫の体が縦に真っ二つとなり、地面へ仰向けに倒れていた。
双眸は見開かれたまま青空へ向けられ、顔は驚愕と恐怖で溢れきっていた。
「な……なに……あの……魔……術師……
ば……け……も……の……」
その呟きを残した後、≪お水絞りのドリアード≫は跡形も無く消滅した。
かちゃかちゃと鉄が鳴る。
≪プレートラプター≫は体勢を低くし、するすると地面を進んでいった。
那韋斗は高速で流れる景色の、右に左に、ちらちらと視線を向けた。
(森フィールド……いや、空気の閉塞感からして多分違うな。微かに空調の音もする。地面もかなりぬかるんでる……)「≪増加の魔法陣≫発動。≪兵站≫を使い、山札の中から≪無限
の食糧庫≫を発動」
那韋斗は2枚続けてカードを発動し、そのままゲームボードに目を向けた。自分の方の宝庫には動きが全く無い。
(攻め気が無い。高確率で、あの≪王国を護る者≫を使っていたプレイヤーと同じ、迎撃特化型の宝庫だ)そして、最も気になっている上空の様子に意識を移した。
視界に入っているだけでも十数個、「じょうろ」が木よりも高い上空に浮かび続けている。
赤、ピンク、オレンジ、緑色……プラスチックのような素材で、「ゾウさん」を模したファンシーな形をしている。
ひとりでに動き、傾いて、透明な水のようなものをしゃーっとそこら中に降らせていた。雨と呼ぶには規模が小さいが、それでもじょうろの数が多いので十分な「水やり」になっている。
他にも、よく観察するとそこかしこの土の上に黒いパイプが伸びており、数多くの穴が開いていた。一定の間隔で、そこからぷしゃーっと透明な水が周りに撒かれていた。
(なんか……)那韋斗は困惑し、思わず顔をしかめた。
(変な臭いするな……何の水だ?)那韋斗はそこで思考を中断し、≪プレートラプター≫に停止の指示を下した。減速し、完全に静止すると、その足先1cmの土の上に植物の細いツタのようなものが這わせてあった。
「は!? え!?」
「う゛えぇっ!? ひぃ~~~ん!何でわかったの……!?」
那韋斗が横を見ると、白い素肌を晒す2体の女性型モンスターが立っていた。体には蔦が巻きつき、その先端からはみずみずしい花が咲いている。
(うっ!?♡ こ、こいつらも……♡)どちらも14歳くらいの見た目だろうか。透明感があり、「美少女」という呼び方では足りないほどの優れた容姿だ。
そのあまりにあけすけに晒された素肌に気を取られて、肝心なカードの情報に気づくのが遅れた。
「こ……こいつら、『ユニット従者カード』か!」
≪アルラウネツインズ 啼泣のアルル&号哭のブルーメ≫。ユニット従者カード。
2体分の効果と攻撃力、体力、2回行動権利を持つ代わりに、1カード分としてしか移動できず、どちらか片方が倒されたら消滅扱いとなる、使いどころを選ぶカード種だ。
「チッ!転んだらチンポを私の花で包んで滅茶苦茶『雑巾絞り』してやったのに💗! クソムカつく!!」
「えぇ~ん! ぐすっ……ダメだよアルル。この前なんてたった1ヶ月でカラカラになっちゃたんだから……お水は大切にしないと~……」
「おいお前!降参してさっさとチンポ出せオラッ!」
「お、お願いしますぅ~……!大人しくしてくれたら、とっても気持ち良くしてあげますから……💙 ね? ね?💙」
2体同時に近づいてくる。
那韋斗は思わず恐怖に駆られ、≪プレートラプター≫を後ろへ跳躍させた。
「え゛ぇ~ん!哀しいよぉ~!
……抵抗すると、他の人たちみたいに……とっても辛ぁ~い『水やり』をすることになっちゃうのに……💙」
右脇の木々が、まるで生
きているかのようにがさりと割れた。那韋斗に奥を見せつけてくる。
「え!? ひいいぃぃ~~~~~~~~~~~!!♡」
那韋斗は悲鳴を上げた。
そこでは……
認められるだけで5、6名、裸に剥かれた人間の男たちが涙と鼻水を混ぜこぜに出しながら悶絶していた。
どの男も両手両脚をツタで縛られていて、股間にもカラフルな異形の「花」が纏わりついている。傍でそれぞれ1体ずつ、美しいアルラウネモンスターたちが嘲笑したり、「応援」したりしていた。
「ほぉ~ら♡ ガンバレガンバレぇ~~~♡ もっとまんべんなく撒かないと、芽が出て来ないよぉ~?♡」
ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ♡♡「い゛や゛っ♡ い゛や゛あぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~!!!!!!♡♡」
ぴしゃぴしゃぴしゃ💙 ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ💙💙その男は、那韋斗と同じ年ごろの日本人だった。ピンクに白の斑模様が浮かぶ花に、両側からペニスをサンドイッチされている。
先端からは夥しい量の透明な液体が出続けていた。最初は尿かと思ったが、それよりもかなり「とろみ」があって、ぽたぽたと広範囲に、雫となって降り続けていた。
赤い髪の≪啼泣のアルル≫が那韋斗に顔を近づけ、囁いてきた。
「ほら、よく見ろ💗 あれが『水やり』だ💗チンポを挟み込んでるのはオーソドックスな『搾精花』。一年生で、肉厚の花ビラはチンポに触れると、ああやって徹底的に搾り出す動きを加える💗 あんな風にされると、並みの男は全く保たない💗 平均5~6秒で、サンドイッチの中にマヨネーズソースがたっぷり出てくる💗ただし……あれは、品種改良を加えられているがな💗」
ぴしゃぴしゃぴしゃ💙 ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ💙10秒経っても、20秒経っても、ペニスからは透明な汁だけが大量に出続けていた。ピンクの花びらと花びらの隙間に水気だけが注がれる。男は本気の泣き声を上げていた。
「お゛ね゛がい゛♡♡ お゛ね゛がい゛い゛い゛い゛い゛いぃぃぃ~~~~~~~~~~♡♡ だじだい゛!!!😭☠ だじだい゛よ゛おおぉぉ~~~~~~~😭☠♡♡ イがぜでえ゛えぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~~!!!!!!♡♡ な゛ん゛でも゛ずるっ!!!♡♡♡😭☠ な゛ん゛でも゛ずるがらああ゛あああぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~!!!!!!!♡♡♡😭☠」
花弁の一枚一枚に筋肉があるかのようだった。百を超える指か舌から責められているのと同じだ。滑らかに妖しくざわめき、巧みにペニスをなぞり上げていた。ずりゅっ♡ずりゅっ♡と上下に、隅々まで刺激を耐えている。男なら誰でもわかる。絶対に射精を我慢できない類の動きだ。
しかし男は腰をひきつらせ、透明な汁だけを延々地面に与え続けていた。一回も、起こるべき、「腰がびくっ💛 びくっ💛 っと跳ねて白い液体をペニスから放出する」という動作が起きない。紙の筒の中に牛乳を
注ぎ入れ、それが全て水に変わって出て行くマジックを見ている気分だった。
男はうずくまってツタをぴ~ん♡ と引っ張って、号泣している。どんな子供でもここまで泣きじゃくることはないのではないかと思うほど、びしょびしょに濡れ尽くした顔貌だった。
「あれは搾精花と同じ動きでありながら、絶対に射精ができない特別な品種。『搾水花』だ💗 ……ほら、ほかにも珍しい花がわんさとあるから、ゆっくり『お花見』して行けよ💗」
那韋斗は震え上がりながらその横を見た。
仰向けにされた男のペニスに、ランのような白い花の一つが被さっている。それは勢いよく上下に動きまくっていた。
じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡「お゛っ!☠♡ お゛っ!☠♡ お゛っ!☠♡ お゛おぉぉ~~~~~~~~っ!☠♡ お゛っ!☠♡ お゛っ!……」
ランの先端には薄紫色の唇がついており、行っているのは紛れもない「濃厚フェラ」だった。
じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡ じゅぽっ!♡じゅぽっ!♡その吸引と舌使いの物凄さは、男の腰が上にぐいっ!♡ ぐいっ!♡ っと浮かされていることからも第三者へ容易に伝わってくる。
ぴゅるっ💙 ぴゅるるるっ💙 ぴゅくぴゅく💙「おお゛っ!! お゛オお゛おおお゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!♡☠😭」
窄まるランの口の中で、男はずっと自分の期待するものを出せていないようだった。よく見ると、ペニスを咥えているランは、「がく」の部分が膨らみきって後ろに垂れていた。色が白いのでサンタクロースの袋のようだ。たぷんっ💙 と地面の上でたわんでいる。
傍に立っているアルラウネが残忍な笑みを浮かべている。
「1つの花の容量が10リットルだよぉ~~?♡ ほらほら♡ もっとテキパキお水を出さないと♡ 順番待ちは長いんだから♡」
ランに見えた花は、大きなスズランだった。一本の茎に10個の花がぶら下がっているのが見えた。残りの白い9個の花は同じように薄紫の唇を有しており、待ちきれないというように、空中でがぽっ!♡ がぽっ!♡ っと、凶暴なエアフェラチオを繰り返していた。
(ひっ♡ ひっ♡)その男の横では――「ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡ んっ♡♡ んっ♡♡ んん~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」
こひゅ~~~~💗 こひゅ~~~~💗 こひゅ~~~~~~💗「はぁい♡ 吸ってぇ♡ 吐いてぇ♡ 吸ってぇ♡ 吐いてぇ♡」
容態が急変した患者のような吸気音と、のんびりとしたアルラウネの声が響き続けている。
男の顔には人工呼吸器とCPAPが合体したような形状の、ごつい桃色の花が吸着していた。
花は
アルラウネの股間から伸びていて、何らかの細かい粒子がばふっ💗 ばふっ💗 っと顔の外に漏れ出ている。
男の顔は見えないが、否応なく、顔の花が供給する何かを吸い込み続けているようだった。肺の位置が激しく膨らんだり萎んだりを繰り返し続けている。溺れているように脚をジタバタと動かすが、ツタで捕らえられて逃げられない。
すっかり長くなった両方の乳首にはさっき見たフェラチオ上手なスズランが、ジュッポ♡ ジュッポ♡ と濃厚な乳首フェラを続けている。空中に放り出されているペニスからは、ぴゅるるるる💙 ぴゅるるるるる💙 と、大量の、本当に尿に見えるような量の我慢汁がスプリンクラーのように噴射され続けていた。
「あいつはアルラウネの花粉を吸い続けてるんだ💗 みんなそれぞれ微妙に成分が違うが、この世の物とは思えない、甘~い香りがするんだぜ?💗 それに、尿道の中がむずむずして、緩ぅ~~~くなる『アレルギー性物質』入りだ💗 鼻水が止まらなくなるみたいに、ペニス水がたっぷり出てくる💗 ほら💗 お前も嗅いでみるか?」
アルルが自らの赤い花を那韋斗の顔へ近づけてきた。まだ離れているのに、ふわぁ~~~💗💗 と思わず呆然自失となってしまう濃厚な香りが漂って来る。
それに確かに、ペニスの芯が「むずむずっ♡」となる妙な感覚があった。
「ひっ♡ ひっ♡」
那韋斗は鼻をつまんで塞ぎ、先ほどの男へ視線を戻した。確かに、重度の花粉症に苦しんでいる人の姿が重なる。しかし、違っているのは「くしゃみ」を起こしているのが「腰」であることだった。乳首へのバキュームでとどめを刺され、びくっ♡ びくっ♡ びくびくっ♡ っと何度も何度も、突然跳ねるように腰が上下し、ペニスの先端からとろりとした先走り汁が宙を舞い続けていた。
「んん~~~~~~~~♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ ん~~~~~♡」
「ちゅ……♡ んふっ♡ んっ♡」れろれろ♡ れろれろ♡ れろれろれろれろ♡その横も悲鳴は控えめだった。アルラウネと男は、裸で抱き合って、延々、口の中で甘く舌を交わし続けている。
かなり巨乳のアルラウネなのでおっぱいが男の胸板に押しつけられて変形している。
一見どんな男も羨ましく思う状況だが、男の顔から滝のように流れる涙と、下半身の様子で差し引きマイナスになっていた。
ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ ぢゅぽっ♡ っとペニスをずっとアルラウネの花が摩擦している。大きな房のような花で、とても力強い往復だった。
しかし、その腰の様子は、快楽に浸っているというよりも、もうこんなことやめてほしい、この状況から逃れたいということを、塞がれている口に代わって必死に表現しているかのようだった。
ひくひくひくっ♡😭 っと腰が度々痙攣する。だが、男の顔に射精で恍惚とした様子は現れない。眉根が極限まで細くなり、瞳が落ち窪み、体中から抽出された
苦しみの汁をペニスから吸い上げられているように感じられた。
「え゛えぇ~~ん……ああいうのが好みなのぉ~? お兄さん、不細工だから嫌だなぁ……
でも、しょうがない……」
泣きそうな声で、青髪長髪のアルラウネ、≪ブルーメ≫が言った。
「これも『お水』をもらうためだから……あれよりも凄ぉいの、長い時間してあげるよ……?💙」
れろぉ~💙 と、青い舌が見せつけられた。
「私たちの口から出る蜜は、ほっぺが落ちるほど甘くて、栄養たっぷり……💙 飲めば飲むほど、精液がとぉ~っても濃くなって、出したくてたまらなくなるの💙……ほら💙 『これ』も被せてあげる💙 私のお花💙」
見せつけられた青い花は、アルルの物とほぼ同じ形で、大きな百合に似ているが、花弁が多く、肉厚だった。爽やかな香りで、鮮やかな発色をしている。そして――「こうするともぉ~っと綺麗でしょ?💙 ね?💙」
くちゃ……💙 と音がして、花弁の奥の空間が開いていく。
那韋斗は目を疑った。綺麗な花びらの代わりに現れたのは、もっと複雑で肉厚なヒダを持つ穴だった。糖蜜のような粘液で覆われ、何重にも糸を引いている。
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ💙💙「ひいいぃぃいいぃぃ~~~~~~~~♡♡」
耳の奥に絡みつくようなおぞましい音を立てながら、中のヒダが一斉に運動を始めた。中に入った棒状の「何か」から養分となる液体を誘い出し、吸い上げるという仕組みを容易に頭へ描くことができる。
そして、どこか冷酷な印象も受けた。植物の維管束を思い出す。水を汲み上げ、必要な部位に送り続けるだけの機構。動物の食事とは根本的に異なる冷徹な気配を感じる光景だった。
「私の花はゆっくりおちんちんを絞って、透明なお水をドリップし続ける『メソメソの花』💙 長い間泣き通しで苦しむから、私もいつももらい泣きが大変で……
アルルの凶暴な花はやめて、こっちにおちんちん突っ込んだほうがいいよ……?💙 キスもしてあげるし……ね?💙」
赤い短髪の≪アルル≫が横入りして、自らの赤い花を見せつけて来た。こちらも奥の肉穴が開き、ブルーメの物より狭く、激しく、ギュルギュルとした動きが寒気を憶えさせた。
「やめとけって💗 向こうは『もしかしたら射精できるかも♡』って思わせながらじわじわ甚振られる、すげぇ性格悪い花だから💗 こっちのほうが、ただず~~っと悲鳴上げときゃいいんだから楽だって💗この『雑巾絞り』の妖花で、尿道の中を馬鹿にしてやるよ💗 ほら💗 思い切って突っ込んじまえ💗」
赤い花と青い花を近づけられる。二輪の美しい妖花を向けられ、甘く陶酔的な香りが鼻腔を満たす。
「ここは『我慢汁』だけを絞り出す、男の人にとっては可哀相な、植物系モンスターの楽園……💙」
「男の精気ってのはサキュバスとかならいざ知らず、私たちみたいな植物の精や搾精植物にはちょっと濃すぎるんだよ
。
だから効率よく育てられるように、ここには生気を極端に薄ぅ~~~くして我慢汁だけを搾り出す『従者』や『罠』が集められてるんだ💗 よくできてるだろ?💗奪われる精気が精液の1000分の1とかだから、その分、サキュバスとかに比べて、死ぬまで長ぁ~~~く、何十年もチンポ弄って貰えるって良さがあるぜ?💗 射精だけは絶対にできないけどな💗」
那韋斗は狂態を演じている男たちの様子を見た。
射精による放出感とオーガズムを一度も味わうことができず、延々我慢汁だけを吸い取られていて、全く幸せを見出すことができない。
「水」だけを排出させられ、重い睾丸の内部で、溶けたチェダーチーズみたいになった精液が粘着力の高い状態ででんぐり回って、切なさと快楽がたっぷりブレンドされ続ける。尿道を駆け抜ける精液の速さと太さ、それだけを頭の中に思い浮かべながら、実際に外へ出続けるのはしゃばしゃばの、何の快感も伴わない透明な、ちょっと温い水だけ。
この森で、生涯を終えるまでずっと――「う……や、やめ……やめろ!」
那韋斗は困惑しながらカードを1枚突き出した。
「魔術カード、≪突風撃≫発動!」
風が吹いてくる。通常の「突風」と呼べるような度合いではない。
大木をもなぎ倒すほどの巨大な風の塊が、一方向に、苦しんでいる男たちと周りのアルラウネたちに向かう。
「「きゃー!💗💙」」
≪アルル≫と≪ブルーメ≫が可愛らしい動作で髪と花を押さえた。
当然、この≪突風撃≫は男たちを助けるためのものだ。
しかし――男たちとアルラウネたちの姿は、ぼやぁ~~っと蜃気楼のように揺らぎ、消えてしまった。
「え? え? え?」
那韋斗は混乱して、暗い森の奥を見つめた。
「あはははは!💗 何お前!魔術師の癖に、こんな基本的な事も知らないのかよ?
『確定』した人間の末路は、その時点で別世界の軸に移るから、何が起きても変えることはできないんだよ!💗同じアルラウネを倒そうが、この森が消滅しようが、あの人間たちは何十年、何百年とあのまま💗何カード1枚無駄にしてんだよ💗 バーカ💗」
そこで那韋斗は、数ヶ月前に≪幻魔の案内人≫のカードから聞いた言葉を思い出した。
――「同じ場所にいるように見えていますが、貴方とあの人間とは、全く干渉しあえない並行的な階層にいます。今は一瞬それらが重なって、一時的に姿が見えているだけです」。
「まぁこの森が消滅するなんて有り得ないけどな!
もうこれまで何百人と男を養分にして、どのモンスターも恐ろしく強化されてるから」
「え゛ぇ~~~ん!可哀相! こっちが泣きそうになっちゃいますぅ……
だから、ここで私たちに投降してください……💙 悪いようにはしませんよ?💙」
2輪の花が、テントを張った那韋斗の股間へ向けて、ぐちゅぐちゅ💗💙 うねうね💗💙 と動いた。
誘惑に負けると、この中で延々、我慢汁を――「いっ! いやっ!
嫌だあぁぁ~~~!!♡」
那韋斗は慌てて手札からカードを掴んだ。
「≪疾風(はやて)の行軍≫発動!!」
森の奥から風が吹いてきて、那韋斗と≪プレートラプター≫の背中を後押しする。騎乗状態の場合、ターン終了時に追加の移動を可能とする。突風を受けた帆船のように、那韋斗と≪ラプター≫は一直線に駆け去っていった。
「ま、待って~」
「は、速……」
アルラウネたちの声も聞こえなくなった。
那韋斗は一瞬で道の終点に辿り着いた。急ブレーキをかける。≪プレートラプター≫が爪のついた足を地面に噛ませ、ドリフトで急減速するような動きをした。
停止後に目の前をよく見ると、空中に扉の枠線のようなものと、金属のドアノブのようなものがあった。その横にはカードを通すセキュリティロックのような機械もある。
那韋斗はさして驚かず、予想通りといった感じで、宙に浮かんで見える機械を見つめた。
「オォ~~~~~~~~ッホッホッホ!! よく気づいたことですわねぇ!🤍」
けたたましい声とともに、那韋斗の後ろの地面が割れ、巨大な白い花のつぼみが顔を出した。
しゅるしゅると回転しながら花開き、中から身長3mほどの、迫力のある女体が出現した。
たっぽんと揺れる巨乳の、薄緑色の肌をした美女だった。
巨大モンスター特有の、重低音の声で前口上を行う。
「ごきげんよう!私は≪憂いの種まきアルラウネ≫🤍……とはいえ、あなたが私に種を撒くことは叶いません🤍 あなたが出せるのは悲しい『お水』のみ🤍種を撒くのは、残念ながら私のほうでございますわ🤍」
巨大アルラウネが子房のような器官を伸ばすと、コロコロコロっと音がして、黒く小さな種が十粒ほど≪種まきアルラウネ≫の手の上に落ちた。フリスクを出したように見えなくも無かったが、その黒い種は一粒一粒が目に見えてわかるほど濃い、邪悪なオーラを放っていた。
「こちらの種を、あなたの種袋、つまり『睾丸』へ埋め込みます🤍 すると、通常より遥かに大量に、濃厚で、粘っこ~~~い精子が延々、あなた自身の体力を使って大量生産されるようになりますの🤍ぶら下げた玉の中でぐるぐるぐるぐると精子が秋の運動会みたいに活発に動きまくって、射精したい🤍 射精したい🤍 射精したいと必死におペニスが懇願している間、一滴も出すことは叶わず、執拗に我慢汁だけを搾り取られるのです🤍皆さんとっても苦しみ抜いて、面白い悲鳴ばかりを上げられますのよぉ~?🤍」
残虐な笑みを浮かべ、今まで見たアルラウネの中でも一際巨大で、強力そうな搾精妖花を動かす。ぎゅぱぎゅぱぎゅぱぎゅぱ🤍 ねとねと🤍 と、聞いたことのない異音がした。
「さぁ🤍 私を倒さねばその扉は開きませんわ🤍早くこちらへいらして🤍 さぁ早く🤍 私の花で、決して出せない濃厚な精液を、誘って、擦って、吸引して、精子の代わりに、たっぷりとお水だけを搾りまくって差し上げますから……
」
がちゃ。
「あ、開いた」
「え!?!?」
≪憂いの種まきアルラウネ≫が愕然とした声を出した。
効果を発揮した≪サイバーピッキング≫のカードが那韋斗の手の中から消えた。
扉が開くと、那韋斗は≪プレートラプター≫とともに外へ駆け去った。
「あ! ちょ……お待ちなさい!私はこの場から動けないんですわよ!?根っこがあるから! お、お願い、ま、待って……」
扉を抜けた場所は、さっきまでの森とは比べ物にならないほど開放感があった。
一面の濃い青空に入道雲が浮かんでいる。
そして、那韋斗の背よりも高い「ひまわり」が、元気いっぱいの黄色い花を燦々と開ききって並んでいた。
耳を澄ますと、さっきの森と同じように、上の方から「ごぉぉぉ……」という空調音が聞こえた。
(やっぱりな。
ここはいくつもの人工的な温室が連なったフィールドなんだ。自然からの生命力の恩恵は薄れる代わりに、様々な調整が可能だ)≪プレートラプター≫に乗っているとひまわりの花より僅かに高く頭を出すことができ、那韋斗はそれで、道が迷路のようになっていることがわかった。
(……かなり一筋縄じゃ行かなそうな構築だ。複雑で徹底的な防御特化。やっぱり、≪王国を護る者≫を手に入れた時の『街』フィールドに近いな)「23番へ移動」
宣言に伴って≪プレートラプター≫と一緒に移動する。さっきと同じで地面は少し湿っていた。目に見えない壁で区切られているが、土壌は共通しているようだった。
「……」
上下する視界。
那韋斗は考えを巡らせる。さっき見てひまわりの迷路の道順はあらかた分かった。
(収戯に勝てば、この宝庫から脱出できるのか……?相手プレイヤーはいない。まるでAI戦みたいだ……)「ばあぁぁぁぁぁ!!!♡♡」
ひまわりの陰から、麦わら帽子、白いワンピースの姿をした4体のアルラウネが飛び出してきた。右に2体。左に2体。ひまわりのように見える妖花は、よく見ると、男のペニスを咥え込めるような穴状になっている。擬態型のモンスターだ。
「≪プレートラプター≫。『急襲頭撃(ブリッツヘッド)』」
那韋斗は思案中の沈んだ目の色のまま、ぽつりと≪プレートラプター≫に指示を出した。
≪ラプター≫は正確に左右1体ずつのアルラウネに攻撃を加えた。腹を鉄兜の頭突きで押されたアルラウネがもう1体ずつのアルラウネを巻きこみ、ひまわり畑の中へ戻っていく。
「ぐえっ!」「うごっ!」
そのまま≪プレートラプター≫は平然と走行を再開した。那韋斗はずっとぶつぶつと言い、表情を変えていない。
(多分途中に擬態系のモンスターが潜んでるから、≪プレートラプター≫の「急襲頭撃」で払いのける……)「≪隠れ兵≫を召喚。罠を除去」
那韋斗がまた虚ろな顔で宣言した。隠密装束の戦士、≪隠れ兵≫が、那韋斗からは見えない曲がり角の向こうに召喚された。
短剣を2回振り上げ、繊維が断ち切られる音
がした。
地面から2本草が伸び、足を取る形で結ばれていが、今はただ地面に垂れた4本の雑草でしか無かった。
「え!?」
「な、何で!?」
近くのひまわりの茎の向こうから、見えない何かが発した驚愕の声が聞こえた。
(恐らく曲がり角を曲がったところに捕縛系のトラップがある。手札に≪隠れ兵≫があるから、前もってそれを除去して……)切断した草の輪の位置を通り過ぎて、しばらくしてから那韋斗は我に返った。
「え!? え!? な、何!?!?」
手札を見ると、≪隠れ兵≫のカードが無い。コンソールを見ると≪プレートラプター≫の行動権も使用済みになっている。
那韋斗は混乱した。
思いつく前に体が勝手に行動し、展開を前へ進めている。
「……な、何だこれ……」
今まで行ってきた自分の「マクガフィン」のプレイとは全く異なっていた。意識が、意識よりも先に動く行動へ追いつかない。
「――ちょ、ちょっと速すぎでなくて!?
まぁいいわ!💛」
那韋斗はこれも、意識が地面の揺れと声を認識する前に、≪プレートラプター≫後ろへ退かせた。大地から巨大なつぼみが突き出してくる。今度の花は黄色だった。
中から出て来たのは、さっきの巨大アルラウネとそっくりの、巨乳の美女。
「ごきげんよう!私は≪叫びの耕耘アルラウネ≫💛私は姉妹たちの中でも、あまり前置きが無いタイプなの!💛 ほら💛 見て、絶望なさい!💛」
花弁の中から突き出してきたのは黒い果実、というより、とんでもない『ドリル』だった。
直径は10cm越え。あまりにも極太だ。長さも50cmくらいある。螺旋状にエグすぎる溝が彫られており、エッジも波打っていて、おまけに色んな形の粒高いイボがボルダリングコースのように立ち並んでいた。
ギュイイイイイイイィィイィィン!!!!💛💛 と悪魔的な音を立ててドリル果実が高速回転を始めた。地下をどこまでも深く掘り進められるような力強い回り方だった。表面から潤滑蜜が分泌されており、遠心力でねっとりとした飛沫が空中に舞った。
「ほぉら💛 このドリルで、あなたの直腸内側の隅から隅まで、掘って掘って掘りまくって、耕し尽くしてさしあげますわぁ💛 ふっかふかの、トロットロの、肥沃なアナルになれますことよぉ?💛通常なら何度も何度も、精液漏らしてトコロテンイキをするところですが、あなたが漏らせるのは我慢汁だけ💛 好き者娘のように、穴を突かれてペニスの先端から『ぷしゃ💙 ぷしゃあぁ💙』と透明な愛液を流し続けるのです💛植物の世界においては、『雄期』と『雌期』が入れ替わって、『性転換』することもさして珍しくないんですのよぉ~?💛 『女の子にされたい』という欲求は、どんな男の子も持っているものですよねぇ?💛」
「持ってないわ!!」
凶悪すぎる極太果実の乱回転を見ながら、那韋斗はお尻の穴がきゅっ♡ っとなった。これ以上想像したくもないので、思考の回転に
加速がかかる。
「≪プレートラプター≫を『進化(プロモーション)』
進み出よ! ≪城塞豪竜≫!!」
乗っている≪プレートラプター≫にしっかりとしがみついた。
体が光り、一気にどぉん! と膨れ上がった。どっしりと地についた四本の太い脚。巨大な3本の角。
分厚い鋼の突撃鎧に身を包んだ「トリケラトプス」が大地に立ち、≪叫びの耕耘アルラウネ≫に向かい合った。
「は……え……ちょ……」≪耕耘アルラウネ≫が色を失い、狼狽する。
「『大爆進 トライセラタックル』!!!!」
しっかり足を屈めて力を溜めた≪城塞豪竜≫が、巨体を大砲の弾のように突っ込ませた。大質量と3本の角が≪アルラウネ≫に激突する。
「ぐっ! ぐえええぇぇ~~~~!!!」
貫かれた≪アルラウネ≫の体ごと、壁と扉をぶち抜いて、隣の部屋に転がり出た。
そこには一面のラベンダー畑が広がっていた。
その後も、次々と襲い来るアルラウネモンスターや、妖精系モンスターを処理しながら那韋斗は進んでいった。
「≪返す刃≫発動! ≪我慢汁だけ次々コキ出す手コキ上手な花の精≫を対象!」
「ぎゃっ!!」
「≪パルチザンマスター≫で≪我慢汁ゴックンフラワー≫を攻撃!!」
「財宝カード≪伝説のじょうろ≫を収奪!!」
「ごきげんよう!🧡 私は≪惑いの……≫ ぐえ~~~っ!!!」
次から次へ従者カードの奇襲や罠を処理していく。
我慢汁を搾り出すことに特化した恐怖のモンスターたちや、そこかしこで射精を必死に懇願している男たちの姿と絶叫に震えながら、それでも自分の体が意識よりも速く、的確な対処を行っていく感覚に対して違和感を抱かざるを得ない。
「財宝カード≪空間を断つ剪定鋏≫を収奪!」
既に2枚の財宝カードを収奪し終わった。残り1枚だ。
(こんな防御に専念した構築、どうやったって時間がかかるのが普通なのに……
モンスターも決して弱くない。それどころか1体1体がかなり手ごわい部類だ。自然系の構築に多い、強力な従者カードを大量に展開して相手を圧し潰す「ストンピィ」構築。
それを、こんなターン数で攻略できている……
一体何が起きているんだ……)ぼーっとしていると、目の前に急に、「植物」が現れた。
「うっ! うわっ!?」
≪城塞豪竜≫に跨る自分の、股間の前に浮かんでいた。長いツルが頭上の木に巻きついて、その植物までコードのようにつながっている。
図鑑で見たことがある。これは食虫植物の「ウツボカズラ」だ。
全長30cmほどで、よく見ると、両側を手のひらサイズほどの少女たちが持ち上げていた。背中には薄い翅が生えている。「妖精」だ。
コンソールを見る。カード名は≪嘘つきピクシー≫。
「ねっ♡ ねっ♡ おにーさん♡」
「こんな奥までこんなに早く来れるなんて、すごいねー♡」
透き通った、不思議な調子の声だった。通常のマクガフィンであれば妖精系のモンスターはもっと
昆虫チックな見た目をしているはずだが、目の前の2体は美女をそのまま人形サイズに縮小したような可憐さだった。
「それでねー♡ 私たち、おにーさんにごほうびをあげるために来たんだぁ♡」
「ほらほら♡ このウツボカズラにおちんちん、突っ込ませてあげるぅ♡」
説明用のカードに那韋斗は眼を向ける。
≪食肉棒植物(ミートプランツ)「ミルキングカズラ」≫かぽっ♡ と、あったかいシチューの小鍋の蓋を上げた時のような音を立てて、ウツボカズラの葉が開いた。
大きな穴からほか♡ ほか♡ と湯気が立ち昇る。
「うっ!?♡ ひぃぃぃ~~~~~~~♡♡」
観察しては駄目だと脳が警鐘を鳴らしているのに、目線を注いでしまう。
袋状になっている内部は、一目見ただけであまりにも用途がわかりすぎた。
中は鮮やかなピンク色で、たっぷりの、虫眼鏡が必要なほどの細かい肉突起が立ち並んでいる。
内部は果肉というよりも、かなり温かそうで、生きている「肉」そのものだ。
その証拠に、ひく♡ ひく♡ と一定のリズムで中が微動し続けている。
内部は所どころ狭くなったり、互い違いになっていたりして、さっき見たひまわり畑の迷路よりよっぽど複雑で、男を困らせる構造をしていた。
粘っこい粘液がいくつも白い橋を作っており、ネバネバで、容易には動かせないことを脳が思い描いてしまう。
それでも強力に、執拗に、動かれてしまうだろう。中を見ればそうやって動かして「搾り取る」ことに特化した構造であることが伝わってくるからだ。
内部の見た目が印象的すぎて、そこから目を離すにも強力な意志を必要とした。説明用のカードイラストに目を向ける。「植物属性、罠属性……こ、これ……何だ?」
およそ子供向けトレーディングカードに刻まれたらダメなアイコンを見つける。位置からして多分属性アイコンだが、マクガフィンをやってきてこの14年間、全く見覚えのない形だった。
「おにーさん、安心して♡ このミルキングカズラは『搾精属性』だから♡」
「そうそう♡ これまでの、おちんちんから我慢汁だけ搾って苦しめる、悪~い草花とは全然違うからね♡」
「さ、『搾精属性』!?
な、何なんだその、ふざけた……」
那韋斗は抗議するようにカードの絵柄を見る。
「し、しかもこれ……B級レアじゃないか!」
「すごいよぉ~? この≪ミルキングカズラ≫♡ おちんちんから精子を搾り取るのに特化した『搾精属性』でぇ、しかも希少で強力なカードだから……」
「ほら♡ 見て見てぇ♡」
くぱぁ♡ とウツボカズラの袋の口を2体のピクシーが持ち、広げたむわぁ……♡♡ と湯気と、甘い香りが中から放散される。そして粘液に濡れた内部がさらに事細かに明らかになった。真ピンクで、山あり谷ありカリ責めリングありの非常に複雑な構造をしており、それが――うねうね♡♡ ウネウネウネウネウネウネウネウヌエグチョグチョグチョ
グチョグチョグチョ♡♡♡ グチュチュチュチュチュチュ♡♡ ウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネウネ♡♡「うわっ♡ うわああぁぁぁ~~~~~~~~~♡♡♡」
那韋斗は思わず仰け反った。
細かい肉突起が一斉に動き始めた。植物が繰り広げている運動とは思えない。腸の蠕動運動に似ているが、それよりもずっと強力で、複雑だった。たくさんの小さな触指が、一つ一つスピードも方向も微妙に差異を持ちつつタテヨコナナメに動き続けていた。それでいて、肉壁全体としては奥へ奥へ引き摺りこもうとしている。こんな物を受けたら、囚われたモノを外に出すのは容易ではない。多分動けなくなって、腰をひきつらせながら、何度も♡……何度も♡……何度も♡……
狭い肉空間に反響して、粘液を練り合わせるねちょっ♡ ねちょっ♡ という音がずっと響き続けていた。
「ね♡ すっごいでしょぉ~?♡ これねぇ、ほんと、下級サキュバスの膣なんかよりよっぽどすごいんだよ?♡ 3秒も耐えられたら我慢強いほう♡ 試してみてぇ♡」
「難点はねぇ、中の液もネバッネバで、奥への引き込みも凄いから、一度挿入しちゃうと、数年くらいはずっと外せなくなっちゃうところなんだよねぇ♡まぁでも、それでもいいって思っちゃうくらいの気持ち良さだから、安心していいよ♡ みんな挿れた瞬間腰が抜けて、その場でずぅ~っとうずくまっちゃうの♡その安全な状態のまま、24時間ペニスを乳搾り(ミルキング)して、漏らしたタンパク質をゆぅ~っくり分解するのがこの植物の仕組みなんだよぉ♡」
恐ろしいながらも思わず勃起してしまう説明とともに、股間へ近づいてくる。ほかほかの穴。
「そのままでいーよ♡ 被せたらズボンやパンツくらいすぐに溶かしちゃうから♡」
「それじゃ、自然の恵みのちんちん天国、たっぷり楽しんでねぇ♡」
「う……う……♡」
那韋斗は身震いし、首を振り、邪な思いを振り切った。
「魔術カード≪地雷探知機≫発動!!」
手をかざすと、ピーッ! ピーッ! と電子音がした。音は≪ミルキングカズラ≫から鳴っている。
「くっ、くそっ!」
那韋斗が≪ミルキングカズラ≫の入り口の脇の、何も無い空間を掴んだ。
手の中でゆっくりとカードとしての見た目を現していく。
イラストはシロツメクサのような植物で編まれた指輪大の花冠で、カード名は≪泣き虫になる花輪≫だった。罠魔術カード。効果は、「プレイヤーのペニスへ強制的に呪いの花輪を装着。どんなに気持ち良くても絶対に射精することはできない。効果:1000年」と書いてある。「どんなカードだよ!」と那韋斗は叫んで花輪のカードを地面に叩きつけた。探知された罠魔術カードはその場で消滅する。
「あーーーー!!」
「な、なんでわかったの~~~!?!?」
(いや、だって名前に≪嘘つき≫って入ってるし……)と那韋斗は頭の中で思うが、実際にはそれだけではなかっ
た。
仄かに、罠の気配のようなものを感じた。
以前まではもっと、視覚情報を頭の中で言語化した後に罠かどうかを判断していたが、そのプロセスが突如として省略されたかのようだった。自分でも戸惑うほど即座に判断をつけることができた。
「もうちょっとだったのに~~!!射精封じされたまま≪ミルキングカズラ≫におちんちん突っ込んで、段々激しくなっていく搾り取りの動きでおちんちん溶けて無くなっちゃいそうになりながら、我慢汁しか出せずに『ごれ゛取ってぇぇええぇぇぇぇ~~~~!!!!!♡♡♡ ごの゛輪っか取ってえええぇぇぇぇぇ~~~~~!!!! ♡♡♡♡』ってなってる馬鹿な人間を放置して逃げる遊び……」
「これでちょうど10人目だったのにーー!! ひどーーーい!!」
「どっちが酷いねん!」という言葉を言う気力すら無く、那韋斗は従者を傍らに召喚した。
「≪戦場のジョーカー≫召喚!」
宙返りしながら華麗に降り立った≪ジョーカー≫が、ニッコリとした笑みを見せた。
どこからともなく取り出したチェック柄の布を、≪ピクシー≫達が持っていた≪ミルキングカズラ≫へ被せた。
「えー?」
「どうなるの~!?」
わくわくしながら≪ピクシー≫が見つめる。
軽やかに≪ジョーカー≫が布をめくると、同じ場所へ、重々しい色の手榴弾が代替で置かれていた。ピンは抜かれている。
「「え……」」
爆発音と火薬の臭いがたちこめ、跡形も無く2体の≪ピクシー≫は消滅した。
≪ジョーカー≫は、「楽しんでいただけましたでしょうか?」と言わんばかりに、主に向かって深々とお辞儀をした。
那韋斗は深く息をついた。わかっていた罠なのに内部の光景に見とれ、そのまま受け入れそうになっていた自分の心が恐ろしかった。
(女性型モンスターとか……この搾精系のカードとか……どうしても慣れない……♡「誘惑戦術(セデュースアタック)」とか言ってたか……多分、こんな風に勝敗の外の選択肢を突然相手に与えることで、判断を誤らせることが目的なんだ。
極小のコストで致命的なミスを生じさせ、運が良ければそのまま必殺の一手になる。知れば知るほどコスト対効果の高い戦術だ……卑怯すぎて受け付けないのは変わらないが……)ふと、≪城塞豪竜≫の背中に転がっている物体に目を向けた。さっき手榴弾と入れ替わった≪食肉棒植物(ミートプランツ)「ミルキングカズラ」≫だ。
穴の入り口が那韋斗を向いている。偶然そうなったのか、それとも見ないうちに≪ミルキングカズラ≫がひとりでにそう動いたのか、わからない。
入り口が、ピクシーたちが開けた時と同程度の大きさで「くぱぁ……♡」と拡がっていた。
ホカホカと湯気を上げながら、ネッチョネッチョ粘り音を立てている。誘うように、穴内で行われている「乳搾り」の動きを開示している。
ウネウネウネウネ♡♡ ネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョ♡♡
数えきれないほどの肉突起が、入り口から奥へ向けて、どんなものでも逃れられずに搾り尽くされてしまう捕食動作を続けている。
どこからともなく声が聞こえた気がした。『今なら誰も見ていませんよ?♡ 罠も外れました♡ 試しに挿入してみませんか?♡ こんなレアカードにオチンチンを何十年も、ムシャムシャしてもらえる機会なんてそうそうありません♡ 絶対に後悔させませんよ?♡ 貴重なタンパク源になってくれるお礼に、たくさんたくさん、何十年も、丁寧に「乳搾り」してあげます♡』
「ひいいぃぃぃ~~~~~~~~~~!!!♡♡」
那韋斗は拾ってしまいそうになる自分の手の動きに気が付き、恐怖に駆られた。
そのままげしっ! っと靴の先でキックして落とす。ぽよんという感触の後、≪ミルキングカズラ≫が≪城塞豪竜≫の下の地面に落ちて行った。
「す、進め! ≪城塞豪竜≫!」
ずしんずしんと音を立ててトリケラトプスが進む。那韋斗は逃げるように、全速力でその場を後にした。
そこは、一個の芸術品のように美しい空間だった。
水彩絵の具で彩色したような青空が広がり、煌めく羽毛を持つ小鳥たちがその中で遊んでいる。
一面の芝生は思わず頬ずりでもしてしまいたくなるほど綺麗に刈り整えられていた。
鶴翼のような形で広がる植栽。一番外側の層はミリ単位で手入れされた生け垣で、その内側は、まさに至上の花壇となっていた。薔薇、チューリップ、ラベンダー、マーガレット、スイトピー、サクラソウ、カーネーション、ヒヤシンス、アネモネ。それらはごく一部で、他にもこの世に存在しない色、形の花々が美しく、多様に並んでいる。水やりを終えた後のようで、キラキラと露が宝石のように散りばめられていた。
中央には丸くて白い机と、ガーデンチェアが配置されている。アルラウネ、ピクシーといったモンスターたちが優雅に紅茶を啜り、お菓子を頬張っていた。
その空間は、40に分かれた「温室」の中央に位置していた。宝庫の最深部。辿り着くのが最も難しい。
そして、一番中央に置かれた机とガーデンチェアは周りのものより一回りサイズが大きかった。
腰かけているのは花から体を突き出した女性型モンスター。上半身は裸で、日光浴を楽しんでいるように見える。
「嗚呼……なんとお美しい昼下がりなのでしょう💗」
ティーカップを指でつまみ、持ち上げている。白く滑らかな陶磁の表面は塗り薬で濡れたように光っている。金箔で描かれた精緻な紋様が陽光で上品に浮かび上がっていた。
モンスターは澄んだ橙色の紅茶をゆっくりと啜り、ソーサーにカチャリと置いた。
「今日の『水出し紅茶』も、味わい深いですわぁ💗 情けなぁ~~いマゾ水源どもの苦悶が滲み出ているかのよう💗……そう言えば、さっき引き摺り込んだのは魔術師だったそうねぇ?💗今はまだお1つ目の温室か……早ければ、お2つ目の温室に辿り着いていることでしょ
う💗」
高く、鼻にかかった喋り方だった。余裕たっぷりに薄ら笑いを浮かべている。
「今回の獲物はどこまで進んで、どんな悲鳴を上げてお死にになるか、とても楽しみですわぁ💗」
カップを再び唇につけてゆっくりと啜った。
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!
『庭園』の壁が破壊され、モンスターがブーッ!! っと紅茶を吹き出した。
「え!? もうゴール!?!?早っ!!」
那韋斗はきょろきょろと辺りを見回し、愕然としながら叫んだ。
ケホッ、ケホッ、っとせき込んだモンスターは、トリケラトプスに乗った那韋斗の姿を見つけた。
那韋斗は、「あ! こいつがボスか!!」と言いながら、ずんずん庭園の芝を踏みつぶし、中央のガーデンチェアの方へ進んでいく。
驚きが過ぎると怒りがやってきたようで、モンスターの体がワナワナと震えた。
強靭な蔦を瞬時に、那韋斗の体へ向けて鋭く伸ばしてきた。先端は身震いするほど鋭利だった。
那韋斗が命じるまでもなく、傍らの≪見習い戦士≫が飛び出して、蔦を切り払った。
モンスターはそれに動揺することもなく、高らかに笑った。脳をつんざくような高い声で、手の甲を頬に当てている。
「んオーーーーーーーーーーーーーーーーッホッホッホ!!!!!💗 なかなかやるみたいですわねぇ💗 お可哀相な魔術師様💗」
那韋斗はポップしたカードを見た。≪嘆きの水やりアルラウネ≫。A級レアカードだ。「花」、「妖精」、「水滴」属性。
他の温室を守っていた巨大アルラウネモンスターたちと似通った姿だが、一回り体が小さく、乳も尻も細身だった。それでも人間として見れば巨乳と言って差し支えない。
しかし、纏っている気配が段違いに強力で、充実していた。花も、これまで見たアルラウネモンスターの中で最も美しく、優雅に咲き誇っている。
ただ――「最後の財宝カードはどこだ?」
見た感じ間抜けそうな印象だったので、那韋斗は一応聞いてみた。
「まさか、見た感じ間抜けそうな印象だったので一応聞いてみたわけではないでしょうねぇ?
話が性急に過ぎましてよぉ?💗 お可哀相な顔面の魔術師様💗」
「可哀相ってそのこと!? うっさいわ!」
言い立てる那韋斗を無視して、ちらっ、と≪嘆きの水やりアルラウネ≫が自らの背後に目線を向けた。
そこに見えるのは、庭園を眼下に見下ろす、白い宮殿だった。
典型的なバロック建築。屋根は丸く、先のとがったドーム型で、均整の取れた構造をしている。全体が恐ろしいほど白く、言葉を忘れるほどの美しさだった。まさに白亜の王宮と呼ぶにふさわしい。
那韋斗は≪城塞豪竜≫を進ませ、≪嘆きの水やりアルラウネ≫の脇を通って宮殿に向かった。誰がどう見ても、あそこに最後の財宝カードがあるに決まっている。
「……💗」
≪アルラウネ≫が残忍な笑みを浮かべて見ていると、那韋斗がひょいっ、と、トリケラトプスの背から飛び降
りた。
「え?」
「≪城塞豪竜≫!『壊尽突撃 トライセラインパクト』!!!!」
そのまま≪城塞豪竜≫が地を蹴り、巨大なエネルギーを伴って進んでいった。大地が揺れる音が響く。
那韋斗は頭を抱えて地に伏せた。≪城塞豪竜≫の体が宮殿の中央に突き刺さる。
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!! という、さっき壁を破った時の倍くらいの音がした。空気の振動が庭園の端まで広がる。≪嘆きの水やりアルラウネ≫が「ぎゃーーー!!!」と叫ぶ声が聞こえた。
瓦礫が飛び散り、爆風が広がる。ひらひらと頭の傍にカードが落ちて来て、那韋斗は体を起こして拾った。
「あんないかにも中に財宝がありそうな宮殿、トラップじゃなかったら何なんだよと思ってたが……」
カードを読む。さっきの宮殿のイラストだった。
≪悲劇の宮殿≫罠魔術カード。「“中に入った人間の男は瞬時に両手両足が縛られ、『絶対に射精できない&我慢汁の量が10倍になる呪い』がかけられる。その後、踊り子装束を身に着けた女官妖魔達に『拷問室』へ連れて行かれる。『降伏(リザイン)宣言』するまで責められた後は、命が尽きるまでの長い間、大量に働いている女官妖魔達から、宮殿中にある数えきれないほどの様々な搾精拷問器具を駆使され、1日10トン以上の我慢汁を排出させられる悲劇的な日々が待っている。あまりにも残酷な我慢汁絞りが続けられているので、中はむせ返るようなカウパー臭と、それを隠すための香水の臭いが漂っており、女官達も臭いのでみんな臭いを遮蔽するためにフェイスベールをつけている。窓に耳を近づけると、獣のような男たちの咆哮と、「射精さ゛ぜでえぇぇぇぇ!!!!!!!!♡♡♡」「殺゛じでぐだざい゛~~~~~~~~~!!!♡♡」という大絶叫が僅かに聞こえ、ガラスがビリビリ震えているので、そこが唯一外から見分けるためのポイント。現在33名の哀れな男性たちが中に閉じ込められている。1日のスケジュールは、まず起き抜けに前立腺を死ぬほど責めまくる拷問椅子に座らされ、シルクの手袋をつけた4人の女官妖魔達から乳首と陰茎を――”」
「ひいいぃぃっ!!!!♡♡」
那韋斗は怖すぎてそこで読むのをやめ、こんなものもう触っているのも嫌だというように放り捨てた。≪悲劇の宮殿≫のカードは芝生の上で綺麗に消滅した。
「よ、よく見破りましたわね……」
≪嘆きの水やりアルラウネ≫が何とか不敵な笑みを作りながら言った。
「財宝カードはそこのティーセットだろ?」
≪アルラウネ≫の体がびくっと縦に跳ねた。
「な、な、何で……」
「……
持ち手の指の緊張。敢えて外し続けている視線。それに……
さっき爆風が吹いた時、瓦礫へ万が一にも当たらないように、お前の体が不自然に反応した……ような気がする」
≪アルラウネ≫はぽかんと口を開け、理解不能という表情を浮かべた。
「……は、はぁ? あ
なた、さっきの攻撃の時は、地面にうつ伏せになっていらしたでしょう!?何でそんなことが……」
「い、いや……俺にもわからん」
「え……怖……」
那韋斗は自分でも呆然としながら、芝生の上を歩いていく。後ろに、≪見習い戦士≫と≪戦場のジョーカー≫が続く。
レベル2の≪城塞豪竜≫が行動権を使い、もうこのターンは攻撃不能であることに気づき、≪嘆きの水やりアルラウネ≫は落ち着きを取り戻した。
「……そんなお雑魚な従者たちで何ができますの?💗 こちらとそちらとでは、生物としての『力』に圧倒的な差がございましてよ?💗――ゆけっ! ≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫!!!」
言い放つや否や、地面を突き破って太い木の根が現れた。それは前脚の爪だった。
地面からさらに巨大な4本の脚と、分厚い樹皮の体と、巨木をくり抜いたような虚ろな頭部が順番に、大地を割り裂いて現れてきた。
レベル2の超重量級モンスター、≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫が庭園の上へ立った。先ほどの≪悲劇の宮殿≫よりも体躯が大きい。発する迫力で空間が圧される。
「んオ~~~~~~~~~~~~ッホッホッホ!!!💗 どうでして!?💗 この宝庫、『嘆きの植物園』は、捕らえた獲物の精気をたっぷりと吸い取って、生命力でパンッパンになっていますのよぉ~~~??💗 土壌も肥沃で、植物系モンスターのステータスには常に上方補正がかかっておりますの💗 さらに、この中央の『庭園温室』はそのおエネルギーの集約地点で……」
「≪見習い戦士≫に≪叙任式(アコレード)≫を発動!」
那韋斗は手札のカード1枚を掲げた。
「場のレベル1騎士属性従者カード1枚を、山札の中の騎士属性従者カードへ進化(プロモーション)させる!」
「ちょ……話の途中で……何とお無礼な……」
輝きとともに、2本の槍持つ騎士が立ち上がった。
「≪無君の騎士≫!! ≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫を攻撃!!」
ひと月ぶりに自分の物として使える≪騎士≫。主の命令をすぐに受け入れ、俊足で大地を蹴った。鉄が鳴る音とともに、次の瞬間にはもう≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫の足元へ辿り着いている。
「右の後ろ脚、真ん中の指!!」
巨獣の認識が追いつく前に、騎士が指定された脚のところで槍を振りかぶった。「七色の槍」の槍先を中央の指へ勢いよく突き立てる。
その瞬間、≪クワドラペダルトレント≫の全体を包んでいた強大な力の漲りが立ち消えたような気がした。巨獣の身の捩りを見るか見ないかで、すかさず那韋斗は宣言を行った。
「≪無君の騎士≫!『空式槍穿(ブランクスピア・ストラーダ)』!」
≪騎士≫がもう一方の槍を頭上に突き出した。≪クワドラペダルトレント≫の体が腹から背に向けてトンネル状に貫通される。四足獣の目から光が消え、巨木が朽ちて倒れる時のパキパキという音を立てながら、ゆっくりと地面へ
沈んでいく。
「ば、馬鹿な……」
地響きまで収まった後で、≪嘆きの水やりアルラウネ≫が呆然と呟いた。
「植物系モンスターとなれば、どんな姿をとっていても、地面から栄養を受けるための『主根』がどこかにあるはずだからな」
言いながら、那韋斗は自らの困惑を強めていた。
あまりにも速すぎる。
今の≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫は強力なA級レアの上級従者だったし、フィールドによる強化も受け、異常な体力、攻撃力の数値になっていた。
目の前にいる≪嘆きの水やりアルラウネ≫にしても同じくA級レアで、これまでの那韋斗であれば絶望を覚えてしまうステータスをしている。
(防御重視の構築と、タフな従者カードたちを相手に、このターン数で最終盤面に入ってる……どんなゲームスピードだよ。
思考の疲れもほとんどない。何なんだこれは……)いや。考えつつも、その理由は既に那韋斗にもわかっていた。
(多分これは、あの『赤い卵』の特訓を受けたせいだ……)那韋斗はおもむろに、自分の財宝カードゾーンへ置かれた赤いカードを見つめた。
(!?)那韋斗の目は驚きで見開かれた。
「よ、読める……」
文章に一切変化は無い。意味の分からない文字の羅列が記されているままだが、その意味の一部が、眼球を通して頭の中へ投影されるようだった。
「“必要なものは、『進化(プロモーション)の条件を満たした従者カード』。そして、収奪した≪財宝カード≫1枚。”
……え!? ざ、財宝カード!?」
那韋斗は困惑した。
「財宝カード」は「マクガフィン」の中でも特別なカード。収戯全体に影響を及ぼし、無効化するカードもごく限られる。言わば収戯の基盤であり、ある場合ではライフより重要とされるリソースだ。
(財宝カードを「コストにする」なんて聞いたことがない……!)那韋斗は気づいた。
今この状況は、全ての条件を満たしている。
≪無君の騎士≫は相手の≪巨樹超獣 クワドラペダルトレント≫を倒し、そして自分の手元には収奪した相手の財宝カード、≪伝説のじょうろ≫と≪空間を断つ剪定鋏≫の2枚があった。
レベル2従者カードの「進化(プロモーション)」は、「統合」や「解放」などの特殊条件や、全てS級レアの「レベル3従者カード」を所持していないと発生させられない現象だが――那韋斗はテキストを何度も読み返した。理解できるのはカードの発動コストまでで、使った末に何が起きるのかはまったくわからなかった。
一体何が――「……む、≪無君の騎士≫に」
那韋斗は忘我した状態で、騎士に対して手を翳す。
「≪赤き王の卵≫の効果を、はつど……」
その瞬間、世界がしん、と静まり返り、庭園の景色が消え去った。
「!?」
真っ白になった意識の中へ赤い鮮烈なイメージが、突き刺さるようにもたらされた。
「!!!!」
怯えが全身を流れ、那韋斗の発声が止まった。手が石柱のようになって動か
ない。
背中一面に粘度の高い汗が湧いた。
『その感覚は正しい』
頭の中に重く、≪赤き王の卵≫の声が響いた。
『お前はそれを行うことで、後戻りのできない地点へ足を踏み入れてしまう。
そこには全てがあり、全てを奪い去るほどの圧倒的な破滅が待っている。
お前の恐怖は、全ての存在が死を恐れるようにあまりにも自然なことだ』
那韋斗は腕をだらりと降ろした。自分が息をしているのかもわからない。
『だが、お前はもうすぐ「到達」する。その地点へと。
それもまた、全ての存在が死へ辿り着くように、あまりにも自然なことだ。
――「覚醒」の時は近い』
視界が張り裂け、もとの庭園が戻ってきた。
「んオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッホッホッホッホ!💗」
甲高い笑い声が那韋斗の鼓膜を揺らした。
≪無君の騎士≫にぐいっと体を抱え跳ばれ、鋭い蔦先が地面から突き出して来るのを辛うじて避けた。
≪嘆きの水やりアルラウネ≫が攻撃を繰り出してきた。
「何をぼんやりしてらして?💗 もしかして気づかれたのかしら?💗『実はもうカードが尽きて勝ち目が無くなった』こと。そして――」
≪嘆きの水やりアルラウネ≫は淫靡な笑みを浮かべた。
「――『勝ち目が無いなら、降参して気持ち良くしてもらったほうが得なのではないか』という事実に💗」
しゅるしゅるしゅるしゅる、と花の「つぼみ」が伸びて来た。ラグビーボールくらいの大きさがあった。那韋斗の腰の前方で止まる。
「あたくしは、12株いる姉妹たちの中でも一番の優生種💗 品種改良の最先端ですの💗あらゆる搾精妖花を掛け合わせた、最高の一輪が『これ』💗」
優雅に花開く。那韋斗の口から、美しい花を目にして漏らす嘆息とは全く別種の声が出た。
「ひええぇぇええぇぇ~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?♡♡」
じゅくじゅくじゅくじゅくじゅじゅくじゅくゅくじゅくじゅくじゅくじゅく💗🌺💗🌺💗🌺💗幾重にも重なった花びらは極上の薔薇のようで、赤だけではなく青、オレンジ、黄色、ピンクと、色とりどりの「肉花弁」がひしめいていた。一枚一枚が霜降り肉のように湿っており、中央部に行くにつれてすぼまって、最終的には何かを迎え入れることに適した筒状になっていた。
その筒の中がとんでも無かった。入り口は肉厚で、捕まったら逃げ辛そうだった。その先の道筋は見ただけで思わず腰が引けてしまう。極彩色の肉の花びらが本当に細かく、無慈悲に密集している。不気味な「黒い花びら」がカリと裏筋の位置へ集中して並んでおり、嫌な予感を止めることができない。
また、ぷぅ~ん♡ と、濃密な甘い香りも漂っており、意識が一瞬飛んでしまう。複雑な筒の中はどこもかしこも、とろっとろの蜜で塗れていた。粘っこすぎるのか、たらぁ~♡ っと入り口から垂れている透明の蜜は短く、地面まで垂れていかない。
恐ろしいのに、油断するとふらふら近づ
いていってしまいそうになる。腰に蝶の羽根が生えて羽ばたく準備をしているような心地になる。
「ひっ♡ ひいいぃぃっ!!♡ だめっ!♡ だめぇぇっ!!♡」
那韋斗は半狂乱になって自分の腰を押さえつけた。
≪嘆きの水やりアルラウネ≫が、さっきまでとは別人の、妖しい笑みで那韋斗を見つめていた。
「お可哀相な魔術師様💗 この花は、本当に物凄いんですのよぉ?💗様々な搾精品種の、優位性質のかけ合わせ💗『フェラチオチューリップ』から受け継いだ、触れているだけでペニスが快楽で焦げてしまうような唇がむっちり咥えて、じゅっぽじゅっぽ扱いて……💗 内側では上級サキュバスの膣にも負けない『ウネウネダリア』の10倍の搾精花弁がしつこく、ランダムにうねって……💗 それだけでオチンチンがぐちゃみそになっちゃうのに、さらにそこへ、『搾精牡丹』をひどくしたような、誰も抵抗できないような搾り取りの動きがぎゅるぎゅるぎゅる、隅から隅まで与えられて……💗 そして最終的には、『バキュームラッパスイセン』の、すんごい真空吸引でズゾゾゾゾ~~~ッ💗 って吸われて💗 1分も挿入したら、どんなオチンチンも射精し尽くして、情けない『オジギソウ』みたいになってしまいますの💗」
にっこりと笑う。那韋斗は、また前に向かって突き出てしまっていた腰を、慌てて後ろに引いた。
「『最初は』、本当に射精させて差し上げます💗 ずっとずっと、頭の中がお花畑になってしまうこと請け合いですわ💗 是非期待していらして💗――でも、あまりに射精の要求が凄すぎるせいで、何ヶ月かぶっ通しで続けると、精液を汲み上げる輸精管の機能が完全に壊死して、物理的に二度と射精ができない状態になってしまいますの💗そうやって出来上がるのが、一生『透明なお水』だけを吐き出し続ける、取り返しのつかない『カウパー水源』ですわ💗」
≪アルラウネ≫の声が際限なしに残忍さを帯びていく。
「――酷いとお思いにならないで💗 人間だって、枝を切り落して挿し木にしたり、不要な花を摘んで果実の生りを良くしたり、草花に対して色々と『改造』を施すでしょう?💗 それと同じですわぁ💗それにあたくし……一度このお花で楽園が垣間見えるほど射精した後、それを永遠に奪い去られた人間が上げるオネダリの言葉が、たまらなく好きですの💗どのお馬鹿さんたちもみんな涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら💗 あたくしに『何でもします♡』『何でも捧げます♡』と浅ましく媚びをお売りになられるの💗あたくしも搾精モンスターの端くれですので、ちゃんと射精の機能を回復させてあげることもできるのですが……哀れなお阿呆共に、『では、射精させて差し上げますわぁ💗』と優しく言って、期待させまくった後で裏切りの我慢汁10リットルを一気にペニスから絞り取ってやった時の顔と泣き声💗 あれは本当にたまりません……💗」
うっとりと目を細める。
≪嘆き
の水やりアルラウネ≫の妖花から、脳をとろかす香りが漂ってくる。恐ろしすぎる話への思考が麻痺して、美しい花園へ立っているように錯覚してしまう。ペニスが可憐に咲く花へ狙いを定めてしまい、体重が前に傾いてしまう。
「もし今ここで、きちんと負けを認められるのなら、この庭園で『ガーデンチェア』になる末路を辿らせて差し上げても宜しいんですのよぉ?💗あたくしのお尻に腰かけられたまま、このお花の中へたっぷりお水を捧げ続ける人生を送りたくなくて?💗 お可哀相な魔術師様💗」
那韋斗の頭に映像が浮かんでしまう。
裸になって、芝生の上へ四つん這いになる那韋斗。その背へ、美味しそうに引き締まった≪嘆きの水やりアルラウネ≫のヒップが乗っている。
細く長い脚を組み、優雅に、上品に紅茶を啜る≪アルラウネ≫。
そして那韋斗の股間では、絶え間なく下品な水音が鳴り続けている。
ぐっちゃぐっちゃぐっちゃぐっちゃ💗 ぐぽぐぽ💗 ぐぽぐぽぐぽぐぽ💗 うねうねぎゅるぎゅる💗 ぢゅっぽぢゅっぽぢゅっぽぢゅっぽ💜 ぢゅるるるるるるううぅぅ~~~~~~~~~~~💗💗💗びくびく💙 びくびくびくびく💙 ぴしゃぴしゃ💙 ぴしゃぴしゃぴしゃぴしゃ💙 ぢゅるるるるるぅ~~~~~~~~~~~💗💗そしてその間中、那韋斗の切実な泣き声が響き続ける。
『ああぁぁぁ~~~~~~~~~♡♡ う゛え゛えぇぇ~~~~~~~~~~~~ん♡ う゛ええええぇ~~~~~~~~~~~ん!!!!♡♡ アルラウネしゃまあぁぁぁ~~~~~!!!射精ざぜでえ゛えぇぇ~~~~~~~~~~!!!♡♡』
我慢汁の出し過ぎで完全に馬鹿になった尿道の感触が、ふっと股間に想像され、那韋斗は思わず内股になり、股間を押さえてしまった。
「ただし……💗 愚かにもお立ち向かいになった場合は……💗この植物園宝庫の『水源』の一部になっていただきますわぁ💗」
パチン、と指を鳴らすや否や、那韋斗のすぐ横の地面に水が湧き出てきた。
みるみるうちに水たまりとなり、水面に青空が映る。その後すぐ、ぱっとチャンネルが切り替わるように、何かの鮮明な映像が水たまりを画面として再生された。
「!!!」
那韋斗は怖気立ち、言葉を失った。
「ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!♡♡ ん゛っ!♡ ん゛っ!♡ ん゛ん゛~~~~~~~~~~~~~!!!!」
「ん゛ん゛~~~~~~~~~~~!!!♡ んんんっ♡ んっ♡ んっ♡ んん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!♡♡♡」
こひゅー💗 こひゅー💗「ん~~~~~~~~~~~~~!!♡♡ ん゛ん゛っ♡ ん~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」
その空間はあまりに悲惨な気配で満ち溢れていた。
薄暗いが、良画質すぎるので状況が微細に確認できた。
土の上に四つん這いになって並ぶ大勢の裸の男たち。全員、切り花のように肘と膝
から先を綺麗に切除され、切断面は塞がっていた。
首には蔦の首輪が、そしてペニスには、さっき那韋斗がつけられそうになった≪泣き虫になる花輪≫が全員漏れなく装着されていた。
何名かのアルラウネがクリップボードとボールペンを手に、冷酷な顔で見回りを続けている。
男たちの股間の一つ一つには、禍々しい形状の搾精花が貼りつき、ジュッポジュッポと、何としてでも精液を搾り出そうと一生懸命に陰茎を責めまくっていた。乳首や尻穴にも多種多様な妖花や果実が密集して、大変な音を立てまくっている。
しかし男たちは、≪花輪≫に遮られて一切射精はできない。全員大泣きをしながら許しを乞うているようだった。しかし、その必死の懇願は全く外に漏れていない。
ばふっ💗 ばふっ💗こひゅー💗 こひゅー💗 こひゅー💗 こひゅー💗どの男も、序盤に見たアルラウネのガスマスクのような、巨大な妖花を顔にべったりと取りつけられていた。その香りと花粉を全ての呼吸においてふんだんに吸い込み続けている。重度の花粉症患者の頭部のように、腰をガクガク♡ と激しく振動させている。
男たちのペニスから我慢汁を汲み上げている強力無比な搾精花。そこから伸びる茎は、男たちの哀しみの水をぼこっ♡ ぼこっ♡ っとポンプ運動で遠くへ運んでいるようだった。
まさに「生産工場(プラント)」だ。顔を包む妖花は、すべて、男たちの流す大量の涙でぐしょ濡れになっている。那韋斗はよろめき、顔が真っ青になった。
「この『水源』は、ちょうどこの庭園の地下深くに有りますの💗 24時間、年中無休でフル稼働中ですわ💗汲み上げた我慢汁は、土壌に染み出させている他、パイプで草木の根に直接かけたり、じょうろで空から降り注がせたりしているのですわぁ💗」
そう言っている≪アルラウネ≫の脇の空中を、ふわふわと、カラフルなゾウさんじょうろが10個ほど、隊列を成して進み、壁をすり抜けて他の温室へと向かっていった。
「そんな目に遭うのは、お嫌ですわよねぇ💗それなら、早く降参なさって……その、とっても水はけの良さそうな棒をこの花にお挿れになって💗あたくしのお上品なお尻の下で、我慢汁を垂れ流しにする優雅な日々を、過ごさせてあげますわぁ💗」
「……」
那韋斗は無言で≪水やりアルラウネ≫を睨みつけた。ようやく正気を取り戻し、開いた掌を前方に押し出した。
「≪戦場のジョーカー≫を進化(プロモーション)!」
≪ジョーカー≫がうやうやしく退場のお辞儀をした後、宙返りをし、すぽっ、と円形の舞台幕の中に入った。
すぐにそれが開いて、中から長身の男が現れる。
「進み出よ! ≪策動の宮廷魔道士≫!」
レベル2従者カード、≪策動の宮廷魔道士≫は無言のまま、革のブーツで芝生の上を歩いた。不思議と足音は聞こえない。フードを深く被り、目の色はうかがい知れなかった。体中にいくつもの魔術的な道具を身に着けている。
「なるほど💗 では、交渉はお決裂ということですわね💗地下の『水源』の様子を見て、そちらが羨ましくなってしまわれましたかぁ?💗」
嘲弄する≪嘆きの水やりアルラウネ≫の言葉を無視して、那韋斗はさらに口を開いた。
「≪戦場のジョーカー≫はこいつへ進化させるために入れている。この間は思わぬ形で役に立ったが……
≪策動の宮廷魔道士≫はD級で、今のインフレ環境の中ではさして強力なカードじゃない。
だが、無属性の従者の中で『属性魔法』を操ることができる数少ないカードの一枚だ」
「あら💗 『属性魔法』ですってぇ!?💗」
≪嘆きの水やりアルラウネ≫はわざとらしく驚いたような声を上げた。
「自然系モンスターの共通の弱点は、『火属性』の攻撃だ。
お前は確かにフィールド効果で厄介なほど強化されているが、属性相性で押し切れば活路は見いだせる」
≪策動の宮廷魔道士≫は静かに両手を構え、術式発動の体勢を取った。
「ぷっ……くくく……💗」
こらえきれずに笑みを漏らし、≪嘆きの水やりアルラウネ≫は、ついに大声で笑い出した。
「んオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッホッホッホッホッホッホ!!!💗💗 このお馬鹿💗 お阿呆💗 お低能💗そんなものは完ッ璧に💗 対策済みですことよ~~~~~~!?💗」
体をのけぞらせて哄笑している。まさに最高の気分といった様子だった。
「この『植物園』には男どもから汲み上げた『お水』が行き渡っていると言ったでしょう??💗その湿潤な環境の影響で、ここの植物系モンスターは全て💗 火系統属性の攻撃に強力な耐性を持っているのです💗💗ほら💗 お見えになりませんか💗 あたくしの属性💗 水系統属性がついているでしょう?💗 火属性なんて全く、問題にならないんですわよ!?💗💗おまけにあたくしの特殊能力は!💗 この植物園全体から水気を集め!💗 相手の火属性攻撃を完っ全っ無効にすることなのです!!💗――さぁ!💗 お望み通り、地下の水源行きですわよぉ?💗 楽しみになさってぇ💗大地に張り巡らされし根を伝わり、集まれ!💗 嘆きの水よ!!💗『悲嘆の大水防壁(ドラジェディー・ドローウォール)』!!」
≪嘆きの水やりアルラウネ≫が両手を上に上げ、高らかに宣言した。
無音。
「『悲嘆の大水防壁(ドラジェディー・ドローウォール)』!!」
もう一度言ってみたが、何も起きない。
「大地に張り巡らされし根を伝わり、集まれ!!嘆きの水よ!!!
『悲嘆の大水防壁(ドラジェディー・ドローウォール)』!!」
もう一度しっかり言ってみたが、何も起きなかった。
「え? な、何で……え……」
そこで≪嘆きの水やりアルラウネ≫は、全身を包む違和感を覚えたようだった。
「え? あ……な、何で? か、『乾いてる』。ど、土壌が……
こんなにずっと……し、四六時中『水やり』し続けた土が、乾いてるなんて、有
り得るわけ……」
「あ、来た」
那韋斗が背後の空を見上げると、上空に真四角の穴が開いていた。
≪アルラウネ≫もぽかんとそれを見上げた。
宙に浮いた穴の中には5人ほど、兵士風の男が立っていた。リレー方式でせっせと何かを運び、中身を開け、穴の下に「撒いて」いた。
下に撒いたものは何か、宙に描かれた輪のようなものを潜り、一気に、10倍ほどの量に増える。
それは真っ白い粉のようなものだった。空中へ散布されると煙のように広がって、そのまま庭園の芝生の上へ満遍なく降りかかった。
「≪無限の食糧庫≫と≪増加の魔法陣≫のコンボだ」
「『むげんのりょくりょうことぞうかのまほうじんのこんぼ』???」
「炭酸カルシウムだ」
「『たんさんかるしうむ』????」
全く理解できないという様子で≪水やりアルラウネ≫は聞き返した。
「炭酸カルシウム。一般的には『乾燥剤』として知られている。
≪無限の食糧庫≫の在庫は一応全部頭に入れているが、その中に、兵站の防湿やレーションの加熱のために用いる大量の炭酸カルシウムがあった。
この物質は土壌改良の資材としても使われ、湿潤すぎる土地から水分を奪い、乾燥した土壌へ戻すことができる。
上からばら撒くだけでも、一時的に環境影響を止めるくらいのことなら可能だ。広大な大自然のフィールドじゃなく、あくまで『温室』のフィールドだからな」
むわっと熱気が漂った。炭酸カルシウムが空気や土の中の水分と合わさり、反応熱が発生しているのだ。
「1ターン目、やけに空気と土が湿っていたから、何かしらの仕掛けがあるんだろうと思った。
――じゃあ終わりでいいか?」
≪策動の宮廷魔道士≫の予備動作が終わり、属性魔術発動の準備が整った。
「……いいわけ無いじゃないじゃないですの!!! このお間抜け!! おたんちん!!!!
いくらフィールドの水を涸らしたところで、あたくしの火耐性が消えるわけじゃないんですのよおおおおおおおお!!!!!????」
ぼこぼこぼこっ!!! っと、地面を突き破って、数えきれないほどの蔦先が現れた。
「お死になさい!!!」
強靭に捩じれた蔓が伸び、生き物のように那韋斗へ殺到する。
「『突風魔道(ブラスト・ソーサリー)』
那韋斗の宣言とともに、目も開けられないほどの突風が≪嘆きの水やりアルラウネ≫に吹きつけた。
蔦は全て風によって逆方向へ戻って行った。そのまま風にたなびき続ける。
「ほ、ほぉら見なさい!!火属性魔法食らっても、あたくし、何ともなくてよおおぉぉ~~~?💗……え?風?『風属性』??」
「属性相互効果だ」
那韋斗は言った。
「風属性魔法は味方の火属性攻撃を強化する」
ざっ、ざっ、と、≪嘆きの水やりアルラウネ≫に近づいていく影があった。
≪無君の騎士≫だ。手には「七色の槍」が握られており、みるみるうちにそれは逆巻く炎へ変わっていく。
まさに豪炎という火力
だった。炭酸カルシウムの反応熱など比べ物にならない。庭園全体を真っ赤に照らし、那韋斗の薄皮をちりちりと焦がす。
炎は変形し、槍先に赤熱する炎の刃が現れた。
風で身動きの取れなくなっている≪アルラウネ≫に向かって、≪無君の騎士≫が槍をゆっくりと振り上げる。
「『七色の槍』の属性攻撃の中でも、最大威力の攻撃だ。
自然破壊するようで申し訳ないが……まぁ灰になったら土にもいいだろ。多分」
巨大な炎の薙刀を見上げ、≪嘆きの水やりアルラウネ≫は涙を流し、震え上がった。
「おっ! おまっ! お待ちになって!!
あ、そ、そうだ!我慢汁絞りなんて致しません💗 好きなだけ射精なさって💗 あたくし、ミルクティーも嗜みますから💗ね? ね?💗 仲良くしましょ??💗 焼畑農法は国際的に批判を……」
「『火式槍道(パイログレイブ・ストラーダ)』!!」
炎の薙刀が叩きつけられ、辺りは爆炎に包まれた。
🐛🔯🐝🐛🔯🐝🐛🔯🐝🐛🔯🐝「おや」
男が呟いた。
「『植物園』の実験構築が敗れたようだね」
「……それ、何?『ドクター』」
若い女の声が尋ねた。
親しみはこもっているが、さして興味がある風ではない。別の何かに集中している様子だった。
配管が走る暗い路地に、ババババッ! ババババッ! っと、ゲームの銃声が響く。
「私がこの世界に来て、数多くばら撒いた『自律構築』のひとつでね。
『完全な火耐性を持つ女王級アルラウネモンスター』を作ることをテーマとした実験的構築だったんだ」
「ふーん」
「いやはや。決して弱くはなかったんだが……
少なくとも、未踏世界の『プレイヤー』にはかなり荷が重いと思っていたよ。
儀式が進行したことで、秘めていた才を『花咲かせた』者が現れたかな? ンヒヒヒヒヒヒヒッ!!」
若い女はひたすらゲームを続けているようだった。装備を忙しなく付け替える音がする。
「面白くなーい。てかずっと言ってるけどさー。そのキモい笑い声、絶対直したほうがいいよ、ドクター」
「辛辣すぎる! ……というか、こら! スマホを弄りながら人と喋るのはやめなさい!」
「はいはーい」
そこで、ジリリリッ! とアラーム音が鳴った。
男の丸眼鏡が光った。かなり度が高いようで、その奥にある目を見ることはできない。
「さて。これで『6ヶ月』か」
男は懐から一枚のカードを取り出し、宣言した。
「≪相対時間の虫かご≫発動」
目の前にぽんっ! と「飼育ケース」が現れた。
透明なプラスチック張りで、蓋が空気を通す網状になっている。子供が夏休みに携えているような、平凡な昆虫飼育箱だ。
一番上の蓋がぱかっ♡ と開いた。
中から……
ウゾウゾ……ガサゴソ♡ ガサゴソ♡ ガサゴソ♡生き物が蠢く音がして、一番中央部には――ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ぢゅっぽ!!♡ ぢゅっぽ!!♡ ずぞぞっ!!♡ ずぞぞぞっ!♡
ずぞぞぞっ!!♡ ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞ!!!!♡♡♡何かをひたすら吸い尽くしているような、物凄い吸引とむしゃぶりの音が鳴り響いていた。
見ると、中には小人サイズに縮んだ裸の若い男と――その男の股間に貼りついて、尻尾をくねっ♡ くねっ♡ っと激しく振りながら、音を立てて上下に貪りまくっている「虫」の姿があった。
緑と茶色の縞々模様。男とのサイズ比で言うと中型犬くらい。しかし外見は犬とは全く違う。虫嫌いの人間なら誰もが目を背けてしまう、巨大な芋虫の見た目をしている。
≪空腹吸精虫(ハングリーあおむし)≫虫かごの中には何枚もの青い葉っぱが敷かれており、最も大きな一枚の上に裸の男と、股間を吸いまくっている青虫が乗っていた。
巨大青虫は一匹どころではなかった。よく見ると男の乳首にも「ずちゅうぅぅ~~~~♡ べろべろべろべろ♡」と一匹ずつ吸いついて舐めまくっているし、見えているだけでも10匹以上葉っぱの間から顔を出していて、男の体に対して順番待ちをしていた。
多分、蠢いている音の多さからして葉っぱの下にその3倍は隠れている。
男は完全な白目を剥き、びくっ♡ びくっ♡ っと腰の筋肉を情けなく反応させていた。遥か昔に抵抗を諦めたのだろう。手足にはもう一切力が入っておらず、ふにゃふにゃと葉っぱの上に放り出されていた。
体はもうガリガリに痩せ細っているが、肩にトライバル柄の入れ墨が刻まれている。
それとは別に、左右の玉袋へそれぞれ小さく「魂変換中(現在容量:空)」」「魂変換中(現在容量:空)」という光る文字が浮き出ていた。
ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずっぽ!♡ずぽずぽずぽずぽずぽずぽ♡♡青虫はまだ紫色の唇を窄めて男の股間を吸いまくっているが、男にはもう一切の意識が無いようだった。何も、空気すら出なくなった棒を、それでも延々吸われ続けている。吸引の凄さとパワフルな口の上下によって男の腰と首が葉っぱの上でがくっ♡ がくっ♡ っと揺れ動いていた。
眼鏡の男はため息をついて、懐からまたカードを1枚取り出した。
≪AI搭載≫のカードだった。
「……はぁ。僕は吸魂系のモンスターは得意でないから、手間がかかるよ。
わざわざ変換のカードを併用しなければならないし、全て吸い切るまで半年も必要だ。
まぁ、こちらの時間では6分なわけだが。
彼にとっては本当に、可哀相なことになったね」
ペニスと乳首を青虫に吸われ続ける「抜け殻」に向かって、男は悼むような声を出した。
「何同情してんのよ、ドクター。まったく。変なところがまともなんだからさー。
別にこいつら、憐れむ必要なんて無いでしょ。こんな路地裏に連れ込んで、金とカードを奪ろうとしてきたわけだし。
ドクターが弱っちそうなのがいけないんじゃない? せめて猫背を伸ばせば?」
「ンヒヒヒヒヒヒ。無理だ」
女の言う通り、「ドクター」と呼ばれた男
のほうは、背が150cmほどしかなく、おまけに、ほとんど腰が直角に折れ曲がって見えるほどの、恐ろしい猫背だった。
「まったく……
ねぇ、ところで……どう?
お友達は酷い死に方しちゃったわけだけど……自分はラッキーだったと思う?」
ゲーム画面にずっと目を向けたまま、若い女がもう一人の人物に話しかけた。
路地には、若い女と「ドクター」の声、そしてゲームの効果音の他に、もっと大きな別の音も鳴り続けていた。
ズパンッ!💛🖤 ズパンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤必死に肌と肌を打ちつける、公にはとても聞かせられないようなピストン音。そして――「も゛!!! モ♡ うイ゛や゛ああ゛あぁぁぁああ!!!
ど め゛っ!!!♡♡ ど ベ デえ゛え♡ えぇぇぇ!!!!!!♡♡♡ ご れ゛♡♡ ど う゛♡♡ ど ウ゛な゛ ッで る゛の♡ お゛おおおぉぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!??!♡♡♡♡」
本当に悲惨な困窮の叫び。激突寸前の暴走列車の、全く効かないブレーキを引き続けているような声だ。
その若い男は、体格も優れ、腕も脚も引き締まっている。色黒で、腕には十字架の入れ墨が入っていた。その入れ墨が、もはや今では自らの辿る運命を暗示しているようにしか見えない。
まるで絶叫マシーンにしがみつくように、若い女の「巨大な腹部」に手と足を貼り付けている。
さぞ女慣れしているだろうという見た目だが、今はとにかく、腰をがっくんがっくん振って、顔から涙と鼻水を撒き散らしていた。首を振り乱しすぎて歯茎が見えているところも絶叫マシーンらしさを際立たせている。
「……ま、頑張ってー。私の『そこ』、一往復するだけでも相当『きつい』んだけど……って、今挿れてるんだからわかるか。
人間の1億倍は皮の厚いドラゴン系の魔物のペニスでも、一擦りで秒殺されて、その場で動けなくなっちゃうくらいだからねー。
人間のじゃ、一ミリ擦れただけでペニスがカンストダメージ受けて、一年くらい足腰立たなくなっちゃうレベル。なのに全然ピストン運動止まんないねー。不思議不思議―。
……お、アイテムゲット」
若い女は、スマホにゲームグリップをつけ、長くしなやかな指で、すいすいと画面をスワイプしている。
びくっ!💛 びくびくっ!💛 びくびくびくびくっ!💛放出を知らせるように男の腰が激しく震えた。
「あ゛っ♡ お゛♡ ご、『ごども゛』♡ ごどもでぎぢゃ……う゛♡」
泣きながら、取り返しのつかないことをしてしまったという後悔が声に籠る。
女は全く表情を変えない。ゲームに熱中している。
「――そうそう。『ヤバいことしちゃった』ってわかるでしょ?正解正解。
あんたと私の可愛い
『娘』たちが産まれるまで、10日くらいかな? その時には……」
液晶の光に照らされ、美しい顔がぺろり、と舌なめずりをする。それは男に対してなのか、ゲームで好機が訪れたからなのかわからない。
「お友達とは比べ物にならないくらい悲惨な、Z指定でも足りないトラウマエンドが待ってるから……
それを楽しみにしながら、しっかり励んでねー、『パパ』💛🖤」
「ひいいいいいぃぃぃぃ!!!!! おっ……!? おっ……!?♡ おっ!!♡」
怯える暇もなく、自分の腰の動きにうめき声を上げてしまう。完全に男の意志とは無関係に、体重を乗せて激しく前後し続けている。
パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤 パンッ!💛🖤「だっ!!♡ だずげ!!♡ ゆるじでぐだざっ!!♡ じょ、じょ♡ 『女王ざま゛ああぁぁぁ~~~~~~~~~~~~」
ピクッ、と女の口が一文字に結ばれた。
「その呼び方。嫌いなのよねー」
あまりに冷たい響きの一言だった。男は恐怖のあまり、悲鳴を途切れさせ、心臓が止まってもおかしくないという反応を見せた。
「おばさんみたいでしょ? どう見たって私、『お姫様』のほうが合ってない?
イラっとしたから、お仕置きねー。
……チッ。死んだわ。マジ糞武器じゃん」
その瞬間、腰を打ちつけている「結合部」から、恐ろしすぎる音が鳴った。ずごごごごごごごごごごごごごごごごご!!!!!!!💛🖤💛🖤路地の外どころか県外にまで聞こえてしまうような音量だったが、路地裏から見える歩行者の誰も気が付いた様子はない。
男の力強い腰振りも、その引っ張り続ける力でしばらく静止してしまうほどだった。
「……♡♡♡」
男は目玉の裏側が見えるような白目を剥き、一切声を出せない。首を脱落しそうなほどのけぞらせ、口をパクパクパクと開閉させた。
「あ。違う違う。いまのはただイラっとしたのが穴の中に伝わっただけね。
『お仕置き』はもっともっと惨くて、辛くて、致命的だから。
次のマッチが終わったら開始。覚悟しててねー」
「お゛っ!!♡ お゛っ!!♡おゆるじ♡ おゆるじ♡ 『姫』♡ 『姫様』ぁ♡ おっ♡ おっ♡」
男は絶望の中で腰を振る。ヂュポッ!!💛🖤 ヂュポッ!!💛🖤 っと物凄い音が鳴るが、「姫」の耳には懇願も結合部の音も入っていない。始まったマッチへ没頭している。
「姫」はその巨体を細い路地へ折りたたみ、何とか収めていた。
2本の腕でゲームをし、残る2本の腕で悠然と、男の乳首を引っぱり続けている。30cmほどぐいぃぃ~~~♡ と伸ばし、乳頭を左右にクリクリと、巧みに捻りまくる。そして長く美しい2本の脚を、圧倒的な支配者のように足組みさせていた。
男がしがみついている巨大な腹部は、黄色と黒の、危険を一目で知らせるような縞模様をしていた。
眼鏡の男、「ドクター」はその様子にはもう目を向けることもなく、肩を落とし、頭を振った。
「
それにしても……」
白衣を纏い、首からは「六芒星」を象った首飾りがぶら下がっている。
「何故『アルパトラ』は、サルファス君とLINE交換してないんだ!?
連絡取れないだろ!
サルファス君もサルファス君だ。単独行動が過ぎる! どいつもこいつも……」
日頃溜めている苦労を漏出させるように、重いため息をついた。
「残りの『3人』がやって来たら、また収拾がつかなくなるぞ……
頭が痛い……」
呟いた言葉は外の喧噪の中に消え、しばらくすると路地裏には、誰の姿も見えなくなっていた。
――――那韋斗は収戯を終え、元の世界に戻って来た。
橋の上に立つ。
那韋斗が触れた「呪いの山札」は、橋の上から消え去っていた。手の中に3種の財宝カードだけが残っている。≪伝説のじょうろ≫、≪空間を断つ剪定鋏≫、≪白き華≫。
今まで昼日中の庭園にいたため、今度は夜の闇に目が慣れず、全く周囲が見えない。
(は、葉月さん……どこだろう……)早く終わったとはいえ、山札の中に吸い込まれてから1時間ほどは経過しているはずだった。
連絡を取るため、那韋斗はスマホを取り出した。もしかしたら自分を探しているかもしれない。
しかし、すぐには電話をかけられなかった。体の中に残った熱が手足を渦巻いている。
これまでにない速度に達した自分の思考。収戯の最中によぎった赤いイメージ。≪赤き王の卵≫の効果のこと。
(葉月さん……
俺はこの前、葉月さんに嘘をついた)那韋斗は夜の闇の中を見た。
(決闘なんて「どうでもいい」って。
違う)闇の中でぎゅっ、と拳を握る。手の中で血が圧される。
橋の上に立ちながら、一つの思いが胸の中核で、どうしようもなく揺らめいていた。
(俺は戦いたい。
あの「サルファス」っていう奴と。もう一度。
この一ヶ月、ずっとそのことだけを考え続けて来た)目の前に広がる闇を、貫くように見つめる。
(この前は明らかに本気を出されていなかった。だけど俺も、この一ヶ月であいつのいる領域に少しは近づけたと思う。
明らかに他のプレイヤーとは違う。この世界の枠を大きく超えたカードと技能を持っている。
俺の全てをぶつけたい。全ての力をもって、あいつと戦いたい)闇の中を睨みつける。
その視線に呼応するように――1体のモンスターが目の前に現れた。
小型の竜だった。黒い影のような身体。後ろ脚は無い。冷気のような気配を発しながら、橋の上の闇で翼を広げている。
一ヶ月前の引き分けに終わったあの日、サルファスの後ろに見えたドラゴンの従者に似ていた。しかし、大きさと気配が明確に異なる。
『その従者の名は≪死出の竜≫。
まさに今回の使いとして相応しい。
――覚悟はできたかい? ゴブリン君』
今まさに頭の中で思い出していた声がしてきた。出所は竜の尾が巻き締めている石。マクガフィンの魔術カードのイラストで見たことがある。≪通信石≫だ。
『明日が約
定の日だ。
一度我々は「引き分け」に終わった。だとすれば、ルールは言わずともわかるだろう?』
那韋斗は呟いた。
「『決戦』……」
にやり、と癇に障る笑みが頭に浮んでくるようだった。
『……ははは。なるほど。こちらの世界でも同じ呼び方をするのか。
時間は明日の夕刻。場所はこれから言う。
万全の用意を整えて来るがいい。この世へ未練を残さないためにな。
逃げることはできない。そのための仕掛けはもう打ってある』
那韋斗は背筋がぞくっとした。姿が見えない。急いで電話をかけてみるが、出ない。
全てを理解した気がした。
「お前まさか、葉月さんを……」
石の向こうで、さらに口端を歪めた気配があった。
『賭ける物は我々の持つ「不可触宝カード」1枚ずつ。
そして、それに劣らぬほど美しく価値のある「財宝」ひとつだ』
闇の中に声が響き渡った。
石と竜を隔てて、2人の青年が向かい合う。
『敗けた者は全てを失い、後には何も残らない。
これこそが魔術師同士の、真なる決闘。
「山田那韋斗」。お前に与えてやろう。
死よりも遥かに美しく、恐ろしい結末をな』
【第5話(第1章最終話)「闇の貴公子と覚醒の騎士」に続く】
「3年Ⅳ組」
ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷 ずぽ🩷「どう?先生🩷私の反省の気持ち、ちゃんとその淫行ちんちんに伝わってる?」
むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷 むぽ🩷とても辛そうな、空気が圧縮されて開放される音が繰り返されていた。そして何度も何度も、栄養を貪り取ろうとしている活発な摩擦音が響いていた。
「ひっ!♡ ひぃぃいっ!♡ ひぃぃ♡」
背が仰け反った。
圧倒される股間の前方で、小さく引き締まった白い尻が前後に動き続けていた。
その手触りにはあまりに若いみずみずしさが残っていた。ハリがあり、滑らかだった。指に吸いついてくる。
そして内側は好奇心旺盛に、体力的に劣る年長者を圧倒するように纏わりつき、摩擦を与え続けていた。
狭くなっている箇所ほど生意気にぷりぷりと、悔しく思うほどの弾力があった。どうやっても大人の思い通りにならない大変な穴だ。
とてもではないが自力で腰は動かし、大人のお仕置きを与えることなどできそうにない。そしてそんなことなどわかりきっていると言わんばかりに、小さな尻は延々と動き続け、男の棒から困った物質を搾り取ろうとしていた。
「んあぁぁ!! あっ♡ あっ!♡ あっ!♡やめっ……♡ やめっ……!♡ あっ♡ あっ♡」
その「先生」は、ベッドの上で、本当に困った時にしか出さない声を出した。
「教え子」の尻へ良くない、当然学びではない、与えてはならない何かを大量に放銃してしまう予感があった。ペニスの中へ濃厚に。
弱弱しく、穴から逃げようとする腰の引きつりからそのことを察して、「教え子」は嘲りの感情を発した。
「ぷっ🩷 やっぱ
り早いね先生🩷授業の時はあんなにダラダラ喋ってるのに🩷……いいよ🩷 私もこういう時は、さっさと終わる、根性無しのちんちんの方が好き🩷」
ずぽずぽずぽずぽ🩷 と音が鳴った。舐めた動かし方だったが、穴が往復する速度はまるで賢いキツツキのようだった。
「あぁぁっ!♡ だめっ! だめぇっ♡」
先生の声は裏返り、腹筋は影ができるほど深く窪んでいた。
「——その代わり私との約束守ってね?
今後一切、私が遅刻しても呼び出しが無いようにしておいて。
おまけとして、私が遅刻するたびに先生から『遅刻料』1万円徴収するからね🩷……だって生徒がした悪いことは、先生の責任でしょ?」
ずぽずぽずぽずぽずぽ🩷 と音を立てて尻が素早く動いた。
いくら両手の指を突っ張ってみても止めようが無かった。
生き物としての体力上、この年齢の相手には絶対に勝てないということが伝わってくる動かされ方だった。
「ああぁぁ~~~~っ♡ あっ♡ あっ!♡あ!♡ わ、わかった♡ わかった♡ーーそうする♡ そうするからっ♡」
何も考えられなくなっていく。腰の中の力も綺麗に抜けていく。
「いくら遅刻してもいいっ♡ あっ♡お金も払うからぁっ♡ あっ♡ あっ♡無理っ♡ こんなの無理っ♡ 教育できないっ♡ こんな……扱き取るみたいな……っ♡ あっ♡ 素行が悪すぎるっ……!♡……あっ♡ イく♡ イく♡ あっ!♡ あっ!♡ ああぁぁあぁぁ~~~~っ♡」
びゅっ💛 びゅっ💛 びゅるるるるるる💛 びゅっびゅううぅぅうぅうぅ~~~💛💛敗北したことを示す、濃厚な雄の臭いが立ち上った。
———「たなティー」は人生において、ひとつ重要な学びを得た。
人生というのは、いくつになっても、思いもかけないことが起きる。
「たなティーも髪染めたら?
赤がいいんじゃね?赤!赤!」
親しみをもって自分に向かってくる、若々しい声。
「……許されるわけないだろ。俺は社会人なんだから。
というか、お前のその髪も大概校則違反だからな?」
田中教諭は冷静に言った。
田中はまだ新品に近いダークグレーの背広を着ていた。裾から光沢を持った茶色の革のベルトが覗いていた。
田中の周囲には17歳、あるいは18歳の男たちが群がっていた。
田中の目には彼らは「少年」としか判別できなかった。
子供の時、同年代、そして今のように自分が過ぎ去った年齢として見た時に、それぞれで見え方が全く異なる。
田中は木製の、周囲の床より一段高い場所に革靴の靴底をつけていた。「教壇」だ。
「たなティーさぁ。学校から歩いてすぐに『R&U』って美容院あるから検索してみ? そのダサい髪型すぐ変えてくれるよ」
「……だから行かないって。あとダサくないから」
田中は言って、微かに苦笑した。
敬語という概念を知らないような口の利き方だった。しかし田中の気分は決して悪くなかった。
事前に聞いていた話に比べて遥かに
マシな環境だった。
田中が今月1日付で転任になったこの市立高校は、県内でも「有名な高校」だった。
——有名な「不良校」だ。
噂が違わないということは、その学校の外観によく表れていた。
創立された昭和31年以後、一度も改修されていない校舎の壁という壁には、空きスペースを探すのに1ヶ月くらいかかるのではないかというほど、恐ろしい数の落書きがスプレーで描かれていた。
ほとんど全ての窓ガラスが割れていた。割れて穴が開いているところもただテープが交差されていだけで、元々恐らく透明だったテープは長い期間放置されて色あせ、黄色くパリパリになるほど素材が変質していた。「直してもすぐ破壊されるから無駄」ということだ。
そもそもこの時期に田中が転任となり、しかもいきなり3年生の担任になっているということ自体普通の高校ではまず考えられなかった。
高校3年生の担任は、生徒一人ひとりの性格や学力、進路希望などを熟知したベテラン教諭が任されるのが一般的だからだ。
田中は去年ようやく教員免許を取得したばかりで今年が教壇に立つ初めての年だった。近くの高校で新任教育を受けていたところ、急遽6月に辞令が出てこの高校へ赴任になった。
辞めた前任者と引継ぎのために顔を合わせるということも無かった。
周りの先輩の教師たちにここがどんな学校なのか、どんなクラスなのかを聞いても皆顔を伏せ、答えともつかない曖昧な言葉が返ってくるだけだった。
田中は着任時の最初のホームルームまで夜も碌に眠れない日が続いた。
自分がこれから受け持って教え導いていくのは一体どういう生徒たちなんだろうという不安が頭の中を去らなかった。
しかし、実際に教室へ入ってみると——「今日たなティー。ラーメン行かね?『竜鳴』ってとこ!」
「『竜鳴スペシャル』おごってよ、たなティー。全員に!」
「また高そうな名前だな……いいよ。お前らが全員遅刻せずに学校に来たら、お祝いに奢ってやるよ」
「え~! そんなん無理だろそれ~」
「いや、普通は無理じゃないんだよ」
教室に馬鹿笑いが響いた。
田中も力なく笑った。
田中は赴任したその日から「たなティー」と呼ばれていた。
推測するのも馬鹿らしいネーミングだが恐らく「田中ティーチャー」の略だろうと思った。
生徒たちには敬語や礼儀という概念は無かったが、明るく、親しみ易い性格ばかりだった。話していると地頭の良さも感じられた。
ただ一点、問題としては、あまりにも常識が世間一般の高校とかけ離れていた。
まず、始業の段階で時間通り来ている生徒は半分にも満たない。
今こうやって田中が教壇から生徒たちの頭部を見下ろしていても、染めているか地毛か、ツーブロックがどうのという話ではなかった。
金、銀、赤、緑――さらにはメッシュ、モヒカン、派手なパーマ。剃り眉。ほとんどの生徒がピアスをつけていた。
何人か、もはや見て見ぬフリ
をするしかないが、入れ墨が服から覗いている生徒も見受けられた。
田中は個性豊か過ぎる生徒たちの外見を見ながらため息を漏らした。
しかし一方で、生徒たちは皆笑顔で、幼く見える顔貌を無邪気に自分へ向けていた。
こうやって壇上で相対してみると、田中にとって彼らは紛れもなく、自らが教え導いていかなければならない少年少女たちだと思えた。
——もしかしたら、自分は意外と平穏に、彼らの青春を支えることができるかもしれない。
古ぼけたチャイムの音を聞きながら、社会人1年目の青年はそう考えていた。
大学を卒業したばかりの大人は、まだ若い。
「たなティー」はまたひとつ学ぶことになった。
人生というのは、油断している時に限って、本当に思いもかけないことが起きるものなのだ。
「ああぁあぁ~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!♡♡♡あっ!!♡♡ はぁっ!!♡♡」
田中の背が何度も跳ねた。
「島本!!島本おおぉぉっ!!♡♡ ちょっ♡ 腰っ♡!早っ♡ 早あぁぁっ!!♡♡」
ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙 ぱんっ💙年齢相応の活発さで、素早い打ちつけ音が鳴った。
音響に優れた場所柄、その音はひとつひとつ、疑いようもない明瞭さで田中の耳に届いていた。
嫌になるほど小気味良いリズムだった。
ふんわり制汗剤の匂いがした。
薄暗い中、妖しいピンクや黄色、オレンジの光が輪郭を浮かばせていた。自分の上で動いている影。
擦れ合う肌の感触も、ハリと弾力も、相手の体がこの「年代」でなければ味わえないものだ。
ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙ぱん💙手拍子では無かった。カラオケルームの長ソファの上で鳴り続けているのは、体重40kgくらいのものが上から繰り返し落ち、肌と肌が打ち合う音だった。
出席番号12番「島本」が田中の腰の上にまたがり、上下にしっかりと腰を使っていた。
「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
目の前で起きていることのあまりの凄まじさに、田中の脳は溶融していた。
決して交わってはならない相手——こんな下半身の棒と、穴の内側とで触れあってはならない相手が。
その相手が体の上でただひたすら腰を振って、棒と穴とを摩擦していた。
何かの間違いだと思いたかった。
間違いでなくてはならなかった。
しかしどう考えても、どのように状況を色々な角度から見ても、実際に起きている出来事だった田中の陰茎は確かに、絶対に入ってはならない所へ入り、下から上へ、上から下へ休みなく摩擦され続けていた。
「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ ちょ♡ あっ!?♡ あぁあぁ~~~っ♡♡ あっ♡ あっ♡!!!」
田中の情けない声がカラオケルー
ムに響き渡った。
今は何の伴奏も流れていないし、モニターにも「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡」などという歌詞は記載されていなかった。
モニターで垂れ流しになっているのは、平凡な内容の紹介映像だった。『〇〇さん(知らない新人アーティストの名前)。最近何か面白いことありましたか?』
そしてアーティストが中身の無い返答を行っていた。
——ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙ばつっ!💙電源の入ったマイクが腰のところに置いてあるせいで、股間と股間を打ちつけ合う音が部屋の外にも聞こえてしまいそうだった。バスドラムの音か何かだと思ってほしいと田中は祈った。
田中の尻がビニールレザーのソファーに何度も押しつけられた。通常であれば蒸れるはずだが、ばふっ♡ ばふっ♡ と跳ねた拍子に風が入るので尻は涼しいままだった。
「だめだって♡ 島本♡ 島本おおぉぉ♡♡」
田中は本気で喉を震わせ、要請した。
そんな田中の上で「島本」はいかにも世の中を舐めた少女らしく、悪戯っぽく笑った。
「え~? なにがだめなん? たなティー💙」
この「島本」という女子生徒は容姿も良く、性格も明るいが、素行は全く「良い」とは言えない、田中の担当クラス「3年Ⅳ組」の生徒だった。
遅刻の常習犯で勉強も壊滅的。というかテストの最中に机の上へ脚を投げ出し、スマホでショート動画を再生しながら隣の友達と馬鹿笑いをしているほどだった。
化粧やピアスなどを当たり前にしているが、それを抜きにしても顔がアイドルのようにかわいい。
体もかなり発育が良かった。ボタンが3個もだらしなく外れた襟元から見える谷間は、この若さでしか備えることができない「出来たて」の滑らかさと弾力が表れていた。
田中は授業中、馬鹿笑いする島本を苦々しく見ながら、いつもその谷間に目が向かってしまっていた。
その谷間が今や、元気いっぱいの腰の上下に合わせてぷるん💙 ぷるん💙 ぷるん💙 と惜しみなく揺れ続けていた。
「ひいいいぃいいぃいいぃぃい~~~~~♡♡♡」
田中は二つの目の向きを背けたかった。
ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙 ずりゅ💙「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡」
しかし、光景にだけ意識を向けているわけにはいかなかった。
島本の穴は熱くて狭くて、中は様々な起伏がこりこりとした復元力を持って立ち並んでいた。
生物の器官としてまさに「卸したて」であるということがはっきり伝わってきた。
蕾から開いたばかりの花が、咲いて一週間後の花に比べて遥かにみずみずしく、新鮮なのと同じだった。
穴の凹凸が男の棒のカリ首に丁度良く何度も引っかかった。泣きたくなるほど丁度良すぎた。
そのせいで田中の視界は何度も脱色された。
田中の上で腰を振り
続けている島本は、喘ぎ声など一度も漏らしていなかった。息も乱れていなかった。
子供が体力で劣った大人の体の上で意地悪く遊ぶ時と同じで、ニヤニヤ笑みを浮かべながら田中の顔を見つめていた。
「——あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
圧倒され、喘いでしまっているのは田中のほうだった。
「凄いっ♡ これっ♡ 擦り上げられるっ♡ ……っ♡ っ♡ 凄い引っかかる♡ あ~~~っ♡ あっ♡」
田中にとって、これが初めて味わう「この年代の女の肉体」だった。
上で何度も隙間を開け、失くす股の動きは止まらなかった。校則から10cm以上短いスカートがぱたぱたと田中の体へ風を送った。
部屋の冷房はガンガンに聞いているのに、田中の背中のソファーのビニールレザーは脂汗でびしょ濡れになっていた。
田中のワイシャツも水を被ったように濡れていた。
田中は眉と眉の間に何本もの皺を作りながら思った。
このままでは大人の沽券にかかわる。
しかしどうしようもない。音をマイクが拾う。ぬぽ💙ぬぽ💙ぬぽ💙ぬぽ💙ぬぽ💙と、どんな音楽にも用いられない、滑った摩擦音。
精子を出す生殖のための棒から、とても効率良く精子を取り出すための口径と構造を持ち合わせた穴だった。
人間の女性の体というものは、本来このくらいの年齢までが子供を作るための機能を十分に——という、現代では行ってはならない思考が否応もなく田中の頭の中へ浮かんできた。
田中はカラオケルームの暗がりの中、「島本」の顔を視た。胸は発達し、化粧をしてはいるが、その顔つきは今の自分から見るととても「幼い」。
「う゛ぅ……♡」と田中はうめき声を漏らした。
ーー駄目だ。人間は社会を発達させ、こういった年齢で出産や育児に時間を使わせないよう、道徳と倫理を改良し続けてきた。
文明人である自分が負けるわけにはいかない♡ 田中は額に汗をかきながら必死に、陰茎に太い青筋が盛り上がるほど力を込めた。
ずぼっ💙 ずぼっ💙 ずぼっ💙 ずぼっ💙ぐちっ💙 ぐちっ💙 ぐちっ💙😛 ぐちっ💙😛 ぐちっ💙😛ぱんぱんぱん!💙 ぱんぱんぱんぱんぱんぱん!💙😛 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん!💙😛「うああぁぁあぁっ!!!!♡♡♡ 島本!♡ 駄目♡ 駄目だって!♡♡島本♡♡ 島本ぉおおぉ♡♡」
田中は必死で制止しようとしたが、教え子の腰の動きは全く止まらなかった。
島本の腰の使い方は我儘過ぎた。擦る角度を微妙に変えながら、小ぶりなヒップを何度も跳ねさせた。
明らかに何十人もの大人相手に腰を振り、ひぃひぃ♡ 言わせることを積み重ねていないと不可能な腰遣いだった。
この腰遣いだけで非行の証拠として生徒指導室へ呼び出してもいいくらいだった。しかし今の田中にはそんな資格も気力も無かった。
「あぁあぁぁ~~~~~~~♡😵」
田中は喉仏が三角形に盛り上がるほど首を後ろへ倒した。
白
っぽい視覚の中で、天井のミラーボールのカラフルな光と、非常灯と煙感知器が見えた。
「ん? たなティー💙 どしたん?
射精したかったら射精していーよ?💙 先生ってよく言うじゃん。
『出したかったら出したい時に言いなさい。授業中でもいいから手を上げて』って💙『我慢したら体に悪いよ』って💙」
ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ💙 と小気味良い音が立った。田中の陰茎が、特にカリの傘のところが摩擦でとても温かくなった。
「そっ、それは小学校とかのトイレの時ぃいぃい〜〜〜っ♡……あぁぁ~~~~~っ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああぁぁ~~~~っ♡」
田中は背を反らせ、情けない悲鳴を上げた。
若くて狭くてぷりぷりの膣穴に腰が持って行かれる♡ 大人を完全に子ども扱いする振り方だった。
「ね💙 ほら💙 そろそろ手ぇ上げる?💙 くすっ……💙みんな待ってるから💙 バレないように、中でさっさとスッキリしちゃいなよ💙 体に悪いよ?💙 クスクス💙」
島本が耳元にささやいた。甘い女子の匂いが漂った。
同時に島本は、ピンクのマニキュアで覆われた爪で田中の乳首をワイシャツの上からカリカリカリ🩷 と掻いた。
「!? あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
ニヤニヤと意地悪に観察する、細い視線が降ってきた。
ずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽずぽ💙 田中の股間に生徒の膣口が何度も何度も当たった。ぷっくり膨れた恥丘の形がわかった。自分の教え子の恥丘の形を知っている教師がどれくらいいるだろう。
マイクを通してスピーカーからぼっぼっぼっぼっぼっ💙 と拡大された打ちつけ音が鳴った。サビに差し掛かったようにテンポが速い。
小悪魔のように歯を見せて嗤う島本の顔を見ながら、田中の腰が力を失って浮かんた。
大人のプライドが消え、その声は進退窮まった小学生のようになった。
「出ますっ♡ 出ますぅっ♡……お゛っ♡」
田中の瞳が一瞬、濁った白になり——『——びゅうううううううううぅううぅううぅぅぅ!💛 びゅるるるるるる💛 びゅるるるる💛 びゅぐるるるるるぅぅぅ💛💛』
しっかりとマイクが発射音を拾うほど濃厚だった。
モニターの中央に映る島本の腰へくっついたまま、田中の腰が情けなく、びくっ!♡ びくっ!♡ びくっ!♡ と跳ねた。
そして―—「「「「「わはははははははははははははははは!!!!!」」」」」
と二十人近い笑い声が大部屋に響いた。
「はい、皆さーん!
結果は『3分以内』でした~~!!」
サングラスをしてチャラついた見た目の男子生徒、「出席番号3番」がモニター横でマイクに向かって明るく言った。
長テーブルの上にはフライドポテト、ミックスピザ、空になったチューハイの缶、煙草の吸殻などが散乱していた。
もうもうと煙が上がっているが、煙感知器は一切作動していなかった。
「早っや! マジかよ~!」
煙草の先端を灰皿に
押しつけながら男子生徒が言った。
「根性無さすぎだろ、『たなティー』」
「ねーそこのストゼロのマンゴーちょーだーい?私それ飲んだことない」
「最近タバコの値上がりキモくない? 1箱に減らそうかな……」
ガヤガヤと無秩序に喋り続けている生徒たち。
賭けに負けた方の財布が開けられ、千円、5千円、1万円札が次々とテーブルの上に放られていった。500円硬貨も何枚か机にぶつかった。
「さっすが李希望(りのん)。マジ腰振りエグすぎ~」
出席番号4番の女子生徒が、金の山の中から3万5千円ほどをかっさらいながら言った。
カラオケルームの大部屋へ20人以上、男子も女子も、皆でTVerのバラエティ番組でも見ているように画面を見つめていた。
全員、田中の受け持っている3年Ⅳ組の生徒たちだった。
テーブル上でノートパソコンが起動しており、モニター裏にケーブルで接続されていた。
長髪の眼鏡の男子生徒——出席番号17番がぶつぶつ言いながらノートパソコンのキーボードを叩いた。
画面が切り替わった。過去の映像のようだった。
『ねー、たなティー💙 歓迎会のボウリング楽しかったねー💙』
『あ、あぁ……島本……』
再生されているのは20数分前の島本と田中の姿だった。2人とも廊下の隅に立っていた。
『ねぇたなティー💙 これは「たなティー歓迎会」なんだよ? もっと楽しもうよ💙』
『し、島本……♡』
『私さー、たなティーが学校来てからめっちゃ楽しいよ?💙……ねぇ💙 もっと仲良くなろ?💙』
島本が田中の目を見ながら甘えるように首に手を回した。島本と田中の体が密着した。
……ぷにっ💙『あ……♡ うぁっ♡』
『ねぇたなティー💙 こうやったらもっと仲良くなれるよ?💙』
『!? え? いや、あっ、えっと……こんなの……♡……だ、だめ……だめ……うっ!?♡ うぁっ♡ あっ♡……んん~~っ♡ んっ♡ んっ♡ んんっ♡』
れろれろ💙……ぺちょぺちょ💙……ぐちょぐちょ💙……
唇が交わされた。あとは延々「ぬちゅぬちゅ💙」「ぐちょぐちょ💙」と何かと何かをからませあう音がした。監視カメラのマイク部がしっかりとその音をひろい続けた。
出席番号17番が無表情で録画の時間を進めた。濃厚な教師と生徒の行いは10分以上続いているようだった。田中の顔はだらしなく崩れ、鼻の下が伸びきっていた。
「サイテー」
「キス顔キッモ」
「りのんかわいそー」
「やっぱ『たなティー』も教師失格ヤローだね。
お仕置きけってー♡」
生徒たちはフライドポテトにマヨネーズやケチャップをつけ、それぞれの口へ放り込んだ。
1時間ほど経ったあと——「たっだいまー💙」
出席番号12番、島本李希望(りのん)が笑顔で大部屋に戻ってきた。
「おー、李希望(りのん)先生おつかれー!」
「さっすが『教師堕とし』♡」
「じゃ、結果発表どうぞー!」
司会の出席番号3番が言うと、島本
は指の間に挟んだそれらを見せつけた。
「イェーイ💙 見ろー💙」
たぷんっ🩷💛 たぷんっ🩷💛 たぷんっ🩷💛もわ~~~ん♡ と湯気が立ち上った。
女子たちがフルドン引きの声を上げた。
「うわ~~~!」「キショ!」
「キモ! やば!」
「どんだけ出すんだよ!」
「クソ犯罪者じゃん、たなティー」「もう死刑確定でしょこれ」
湯気を上げる使用済みコンドーム7袋を汚物として視ながら、わいわいと声が上がった。
「さすが李希望。クソ教師ハンター」
島本は得意げに胸を張った。
「ま、こんなもんよねー💙それじゃみんなバイト代宜しく〜💙」
近くの男子生徒が全員から集めたお金の中から、21万円を島本へ渡した。
3万円×7発。
「みんな悪いね〜」
ピンピンとお札を弾いて数え、唇の端を舐めながら島本が言った。
「いいって。いいって」
女子の一人が島本の肩を労うように叩いた。
「どうせこれから『たなティー』から回収するんだし」
カラオケルームの薄暗がりの中で、全員の目がぎらぎらと光を放っていた。
「たなティー」は人生においてまたさらに学んだ。
本当に、人生というのは先に何が起きるか誰にも予想できない。
——パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎パンッ🤎——バンッ!!🚪——パンッ🤎パンッ🤎「「「やっほー♡ たなティー♡」」」
「「「ドッキリ大成功〜〜!!」」」
扉の開いた音ともに、聞き覚えのある20人くらいの声が部屋に響いた。
「あっあっあっ!♡ えっ♡ あ゛っ♡ああぁぁ~~~~っ♡ う゛っ♡」
田中の上半身は急激に硬直したが、腰から下は何も止まらなかった。
びゅっ💛 びゅるるるるるるるるるるるるる💛 びゅびゅ💛 びゅるるるるるるる💛 びゅぐっ💛 びゅぐっ💛 びゅぐっ💛田中は大量の精液をゴムの袋の中へ放った。半分はびっくりして排泄したような気分だった。
腰がガクッ!♡ ガクッ!♡と震えた不意打ちで緩んだ管の中を大量の濃い汁が潜り抜けていく。
「……ぷっ🤎」
下にいる褐色肌の少女が冷たく嘲笑した。
ぎゃはははははは!! と部屋いっぱいに少年少女たちのバカ笑いが響き渡った。
「マジうける!🩷 たなティー、だから早いって🩷」
「射精顔きんも💙」
「うわっ、先生尻に窪みできてんじゃん。めっちゃ本気射精w」
「つーかもう2回もしてんじゃん! バカなん!?」
田中がさっき出した2回分のコンドームがベッドの上にたぷ♡ たぷっ♡ と乗っていた。全員がそれを汚物のように見つめていた。
20人以上の自分のクラスの生徒たちが、全裸の担任の田中に対して何の敬意もなく、思いきり嘲りの笑い声を上げていた。
「イジリ」の笑いとは異なる、本当に軽い存在に対する蔑みがそこには込められていた。
本来であれば田中は、職務上厳しく叱責しなければならない。
しかし田中
はプライベートの空間が一気に20対1の、生徒たちが集う空間に変わってしまったことで思考が停止していた。
まるで教室のホームルームのようだが、今日は学校が休みの土曜日で、ここは学校ではなく隣町のラブホテルで……
田中は背中に粘り気のある汗をびっしょりとかいた。
——え?何?何が起きてるの?
自分は昨日、出席番号40番、渡邊環華(わか)から「土曜日に進路のことでお願いがある」と言われて……喫茶店で話を聞くと進学のことで親を説得してほしいという話で……渡邊はⅣ組の中で一番成績の優秀な生徒の一人だから何とか力になるために……車に乗せて……
助手席で案内された通りに進んだら……隣町の寂びれたラブホテルで……急に「先生……🤎 私、本当は先生のことが……🤎」って……♡渡邊はクラスでも一番美人の生徒だから……♡ 自分が学生の頃だったら絶対相手にされないような大人っぽいクールなタイプで……♡ だからどうしようもなくて……♡そして……そして……部屋に入って……すぐに……抱き寄せられて……リードされながら舌絡ませるキスされて……
シャワーも浴びずベッドに行って♡ 黒くて色っぽい下着が下ろされて♡ あとはひたすら、抜き挿し♡ 抜き挿し♡ 抜き挿し♡ して……
凄く気持ちのいい穴に……島本とはまた違った個性の穴に、にゅぽにゅぽ🩷 にゅぽにゅぽ🩷 って♡2回イッても「ねー先生。もっとしよ? あとちょっとだから🤎」ってせがまれて♡……3回目の射精と同時に、ドアが開いて——田中は呆然として、唯一の味方へ縋るように渡邊を見た。
まだ肉棒にはぬちゅ🩷 ぐじゅ🩷と暖くて複雑な感触が全面に伝わっていた。
「もー大変だったんだから。皆30分に来るって言ってたでしょ?
こいつその前に2回もイくんだもん🤎時間合わせるのめんどかったー」
出席番号40番、渡邊はもう田中に一瞥もくれずクラスの生徒たちと話していた。
一方で、20人近くのニヤけた目が田中に向けられていた。
教え子たちの前に女性に挿入したままの姿を隅々まで見られ、田中は身動きが取れなかった。
「お前ら……何で……え?
何で? え? え?」
田中は知った。人間は本当に理解したくない状況に直面した時、「何で?」しか言えなくなってしまう。
田中は自分で、自分が何の理由を尋ねているかもわからなかった。
「あ、な、何でお前ら……へ、部屋に入って? か、鍵は……え?」
また20人の爆笑が起こった。
「え!? そこ!?」「鍵!?」「ウケるー🤍」
「たなティー授業の時よりオモロいわー!w やっぱいいキャラしてるわ」
「ほら見て、たなティー! じゃーん!」
出席番号5番の男子生徒が前に出た。
特徴的な髪型。茶髪に赤いメッシュを入れ、ボリュームのあるポンパドールに整えていた。
——「学校から歩いてすぐに、『R&U』って美容院あるから検索してみ? ていうか俺らと一緒に
行く?」
先日、美容院に誘われた時と同じ軽さの口調だった。
出席番号5番が掲げた右手には鍵束がぶら下がっていた。金色と銀色の古びた鍵がじゃらじゃらと音を立てた。
「このホテルの社長ってうちのクラスのOB達と知り合いでさぁ。
たなティーが7回もゴム射したカラオケ屋と一緒。
部屋に自由に出入りできたり、全部屋に隠しカメラつけて覗けたり、色々好き勝手できるんだよね?」
隠しカメラ? カラオケ? 7回?? と田中は思った。現実が理解を超え過ぎて汗もほとんど出ていなかった。暑いのか寒いのかもよくわからない。
周囲を見るとすぐ横に島本がいた。
ニヤニヤ💙 と田中に、歯を見せた悪戯っぽい笑みを向けていた。
田中が頭の中で状況を整理し、今自分に起きていることを理解しようとした、その時——「あ゛っ!! あ゛ぁっ!! せっ!! せんせっ!!! やめっ!! やめてっ!! いやあぁぁあぁぁぁあぁ!!!」
突然ベッドの上の渡邊が、田中の体の下で大きな声を出した。
顔を振り乱し、絹が裂かれる音のような迫真の声だった。
「いやっ!! あっ!!信じてたのにっ!!先生! ひどい!! やめて!!!
あ゛っ!! あ゛っ!!嫌あぁああぁぁ~~~~~~!!!」
叫びながら腰を田中の腰にぐちっ🩷 ぐちっ🩷 ぐちっ🩷 ぐちっ🩷 ぐちっ🩷 と打ちつけた。
「!? あぁっ♡♡」
田中は思わず多くの息が混じった甘い声を出した。
渡邊の穴が挿入したままのペニスを飲み込んだ。そのまま、ずこ🩷 ずこ🩷 ずこ🩷 と摩擦される。
「あ゛っ!! あ゛っ!! いや゛っ! やめてっ!!
助けてっ!!誰かっ!!誰かっ!!」
渡邊の「悲鳴」は止まらない。
ぐち🩷ぐち🩷ぐち🩷ぐち🩷ぐち🩷その一方で、摩擦が田中の下半身の棒へ与えて来るものは今の状況が思わず頭の中から消え果ててしまうものだった。
渡邊の、いかにも無力な女子が乱暴を受けているような声と、腰の、余裕たっぷりに精液を引き抜こうという動き方がとても同一人物によるものとは思えなかった。
「——あっ!♡ あっ!♡ 待って!♡あっ!♡ あっ♡ 渡邊♡イク!♡ イク!♡ イク!♡ イク!♡ あっ!♡ あっ!♡」
周りには40個の目。
そしてそれぞれのスマホのカメラが、食べられ中の昆虫のような自分の腰へ向けられていた。
もう何も考えられなかった。田中の腰が震え、頭が真っ白になった。
「あっ!♡ だめっ!!♡ 撮らないでっ!
あっ!♡ あっ! だめっ!♡ あぁぁあぁ~~~!!♡♡」