別買
1
気が付くと、見知らぬ天井が目に入った。
「なんだ、ここ………」
上半身を起こし、周囲を見渡す。
壁一面を埋める本棚。
自分は、部屋の中央に組まれた応接セットのソファに橫になっていたらしい。
右側に大きな扉。
そして、左側には、大きな肖像畫が掛かっている。
(この部屋………館長室……?)
傢俱の配置は、館長室と瓜二つだった。
だが、違う點が二つ。
肖像畫に描かれているのが、アルチナ・ロジェスティラ館長ではなかった事。
何故か、顔面の部分は破られており、その顔を判別することはできなかった。
しかし、男物の服を著ている事もあり、俺の知る館長室に掛かっていたものと異なる絵であることは明らかだった。
そして、違う點がもう一つ。
俺の知る館長室にはあった大きな執務機がなかった事。
そして、その代わり、そこには一人の少女が座っていた。
その両手には鎖が繋がれており、その鎖は天井の暗がりへと続いている。
常に両腕を高くあげていなければならず、橫になる事も許されない姿勢。
桃色の綺麗な髪と、白磁のような肌。
形の整った鼻筋に、ぷるんとした唇。
折れてしまいそうなほどに細い首筋に、流麗な鎖骨。
シャノンだった。
だが、俺の知るシャノンとは微妙に異なる。
俺の知るシャノンの瞳は、いつもきらきらと輝いていた。
しかし、目の前で座っている少女の瞳に、光はなかった。
俺の知るシャノンは、ほとんど裸と言って差し支えないほどごくわずかな布しか纏っておらず、美しい肌を惜しげもなく露にしていた。
しかし、目の前で座っている少女は丈の長いワンピース姿。
袖も長袖で、手や足以外、ほとんど露出していなかった。
俺の知るシャノンは、ああ言えばこう言う、殺しても死なないような太々しい女だった。
しかし、目の前で座っている少女は、まるで目を離したら消えてしまいそうなほどの儚い雰囲気を醸し出していた。
「シャノン」
「………」
名を呼んでも、まるで反応がない。
そもそも、聲が聞こえている様子すらない。
そこで、気づいた。
これは、夢なのだと。
シャノンが見ている夢。
恐らく、五感を共有したのが、原因だろう。
「さて、」
腰に手を當て、辺りを見回してみる。
特に、ここから脫出するためのヒントになりそうなものはなかった。
「まさか、扉が開?」
扉に歩み寄り、ドアノブを回してみるが、びくともしない。
「」
と、呟いたちょうどその時、こつん、こつん、という足音が聞こえてきた。
階段を降りるような足音が、扉の向こうからゆっくりとこちらに近づいてくる。
これも、俺の知る館長室とは異なる點だ。
あそこには、階段などはなく、あるのは【ゲート】だけだったはずだから。
暫く待っていると、先ほどはびくともしなかったドアノブが回り、錆びた蝶番が奏でる不快な金屬音と共に、扉がゆっくりと開いていく。
「……本當」
そう呟きながら、
おずおずと部屋に足を踏み入れてきたのは、金髪碧眼の、上質な絹の服に身を包んだ美少年だった。
「ここが、【第0書庫言った通」
美少年は、俺には気づく様子もなく、その傍らを素通りして、少女に近づいていく。
「君が、“始まりの使徒”?」
そう呼びかけられて、ぴくり、と少女の華奢な肩が震え、無感情な眼差しを美少年に向ける。
「………誰?」
「僕はシグルド。シグルド・ド・トリスタン」
美少年が胸に手を當て、片膝をついて恭しく名乗る。
シグルド・ド・トリスタン。
その名前には聞き覚えがあった。
書名も內容も覚えていないが、まだ孤児院に居た頃、育ての親で、剣の師匠でもあったシスター・アリシアがよく話してくれた冒険物語に出てくる名前ではなかったか。
トリスタン、と言う家名からして、このトリスタン王國の王族に連なる身であることは間違いない。
「君の名前は?」
「名前……?」
シグルドの問いに、少女が不思議そうに首を傾げる。
「ないわ」
「ないの?どうして?」
「誰も、私を呼ばないから」
「、ここで一人だったんだもんね……でも、困ったな」
「どうして?」
眉間に皺を寄せるシグルドを見上げて、少女がきょとん、とした表情で問う。
「君をなんて呼んだらいいのかわからないから」
「呼ぶの?私を?」
不思議そうに、目をぱちくりさせる。
「呼ぶよ。ずーっと、君を探していたんだから。今日、漸く、ここに來ることが出來た」
「そうなの」
「うん。そうなの」
「…なら、貴方が決めて?」
「君の名前を?」
「うん」
「」
美少年シグルドは腕を組み、少女の全身を見つめ、「」
「シャノン?」
「そう。君の青い瞳。きっと、光の下で見たら、きらきらと輝きそうだから。それに、君はとても賢そうだから」
「」
その音の響きを確かめるように、何度も小さく呟き、「うん。私はシャノン」
満足そうに頷き、小さく笑う。
俺の知っているシャノンと同じ顔だったが、その笑い方はまるで違う。
小さな花が、漸く綻んだ様な。
胸の奧がじんわりと溫かくなるような。
きゅっ、と切なくなるような。
そんな笑顔だった。
ぐにゃり、と視界が歪み、意識が遠のいていく。
夢から、目覚めようとしているのだろう。
いや、これはただの夢ではない。
何時の事かもわからないほど、遠い昔の話。
だが、今でも鮮明に夢に見るほど、シャノンにとって特別な時間。
実際にあった、大切な思い出なのだろう。
***目を開けると、目の前に不服そうに唇を尖らせたシャノンの顔。
「…。おはよう」
「おはようじゃないよ、もう!」
「不機嫌そうだな」
「ご主人様、今、夢を見てたよね?」
「…まぁな」
「なんの夢?」
「言えないな」
「なんでよ!私の昔の記憶でしょ!」
「わかるのか?」
「なんとなくだけど」
「昔は可愛かったんだな」
「はぁ?」
グレンの感想に、シャノンが顔を真っ赤にし
て目を剝く。
「昔『は』って何よ、今でも途轍もなく可愛いでしょ!」
「はいはい」
「何よ、その態度!こうなったら、今日も朝から搾り盡くしてあげるんだから!」
怒ったシャノンが布団を跳ね除け、ズボンとパンツを引きずり下ろす。
「ちょ、」
「やめないっ!あ~んっ!」
暴れる俺を抑え込んで、大きく口を開けて、股間に埋めようとするシャノン。
と、その時、寮の扉がノックされる。
「何をやっているんだ、グレン。集合時間は過ぎているぞ」
扉の向こうからクレティアンの不機嫌そうな聲がする。
「ほ、ほら、シャノン!し、仕事だから……」
「……。ちっ」
不服そうに舌打ちをし、シャノンの姿が消える。
ほっ、と胸を撫で下ろし、「すぐ行く!」
クレティアンに返事をしながら、ベッドを飛び出した。
吐き出されるクレティアンの小言を聞き流しながら、【ゲート】でエントランスホールに向かい、アーサーと合流する。
アーサーはちょうど、戦斧を背負った大女と、妖精、小柄な少女と言う特徴的な三人組と別れる所だった。
消えていく三人を、手を振って見送ったアーサーが近づいてくる俺たちに気づいて、駆け寄ってくる。
「おはよ、グレン!」
「ああ。今の、カーミラ班か?」
「うん。これから巡迴だって」
「何かを受け取っていたように見えたが」
目敏く何かを見つけていたらしいクレティアンの指摘に、アーサーがほんのりと頬を染めながら、後ろ手に隠していたものを表に出す。
「弁當?」
「うん、リズが昨日のお禮」
カーミラ班の補助魔導士リズ・ウェッジウッドはアーサーの幼馴染だという話だったが、「嬉しそうだな」
「仲が良いのは良い事だ」
「えへへ、うん……」
嬉しそうに笑っているアーサーを見るにつけ、どうやらただの幼馴染と言う訳ではないようだ。
「カーミラさんとティナさんも、二人に何かお禮をしたいって言ってたよ」
「そうか」
クレティアンは僅かに鼻の頭を動かした後、何も言反対側に歩き出す。
「あれ、今日は巡迴じゃないの?」
その後に続き、弁當をそれはそれは大切そうに鞄に仕舞いながら、アーサーが首を傾げる。
クレティアンは手元に投影畫像を浮かび上がらせる。
「今日の目的地は18番街。仕事內容は貸出本の回収だ」
「貸出本の回収かぁ」
任務の內容を聞いて、アーサーは如実に安堵の色を浮かべる。
戦闘がほぼ漏れなく付いてくる巡迴と比べれば、返卻期間を過ぎてしまった借主の元を訪れて本を回収する方が、遙かに楽だ。
アーサーが安堵するのもわかる。
だが。
(戦闘がないと、経験値が稼)
それは、グレンにとっては死活問題だった。
***大魔道図書館があるのは、トリスタン王國の王都トリスタンである。
より正確に言えば、遙か昔にできた大魔道図書館の周囲にやがて人々が住み始め、町となり、トリスタン王國の建國に際して、トリスタンと名を改められたのである。
500年前に建國されたトリスタン王國は大陸北方の雄國クロフォール王國の沖合西方300㎞の位置にあるエールタニア島と周辺の島嶼を領有する王國で、人口は約3,000萬人。
そのうち、200萬人が住む王都トリスタンはエールタニア島の南方、南は海に面し、北・東・西には山並みが連なる要害の地に在る。
北へ進むほどになだらかに標高が上がっていく坂の町で、三重の城壁を巡らせた鉄壁の要塞都市でもあった。
大魔道図書館は街の最も奧にして高臺にある『北區』に位置し、その南には大魔道図書館を守るかのように聳え立つ王宮や大聖堂、貴族の屋敷が並ぶ『中央區』がある。
『中央區』の西側にある『西區』には國家の中樞でもある官庁が立ち並び、東側の『東區』には軍関連の施設が集まっていた。
その南側には一重目の城壁が聳え立っている。
一重目の城壁と二重目の城壁の間は、『1番街』から『8番街』まで8つの區畫に分かれており、學園街、商人街、職人街と大まかな區分けがなされていた。
二重目の城壁と三重目の城壁の間が、主な居住街であり、『9番街』から『24番街』に分かれていた。
こちらは居住者の財力で分けられており、『9番街』~『12番街』は富裕層、『13番街』~『18番街』は中流、『19番街』~『24番街』は貧民層とされていた。
三重の城壁の外には、『トリスタン港』と居住権を持たない孤児や犯罪者、重病人、浮浪者などが住み著く『スラム街』が形成されている。
王都の人口は200萬人と公稱されているが、その中に港での荷揚げ作業などで日銭を稼ぎ、喘ぐようにして日々を過ごす彼ら『スラム街』の住人は含まれていない。
***大魔道図書館のある『北區』から乗合馬車を乗り継ぎ、城門を2度潛って、『18番街』まで約1時間。
『18番街』はぎりぎり中流層が住む地區に數えられてはいるが、その住人はよくて「中の下」か「下の上」と言った処だ。
今日、明日の食べ物には困らないが、1か月後はどうかわからない。
そんな暮らしである。
大通りからも外れたボロアパートの1室。
そこが、大魔道図書館の本を借り、返卻期限を過ぎても返卻していない借主ピーター・カニンガムの住まいだった。
「まず、確認だ」
呼び鈴を鳴らす前に、クレティアンがグレンたちを交互に見ながら、今回の詳細な任務內容を説明する。
「返卻期間が切れたのは3か月前。既に3度督促狀を発送するも反応がないため、僕たちが派遣された。貸し出されている本は1冊。書名は『誰でも簡単!スライム合成のやり方』、」
「事は、借主」
「ピーター・カニンガム氏」
「そうそう。そのピーター・カニンガムさんは、魔導士って事?」
「そうだな」
アーサーの確認にクレティアンが頷く。
大魔道図書館は基本的に広く解放されており、誰でも1回10冊まで無料で本を借りることが出來る。
貸出期間は2週間である。
但し、危
険な魔導書や魔物が発生する書庫もあるため、一般人や低位の魔導士の閲覧・貸出・書庫への立ち入りには制限も課されている。
それを明示しているのが、ランクであり、制限內容は下記の通りである。
館長の許可なく閲覧・立ち入り・貸出のいずれも不可。禁書。
高位魔導士のみ閲覧・立ち入り可。貸出は不可。
高位魔導士のみ閲覧・立ち入り・貸出可。
魔導士のみ閲覧・立ち入り可。高位魔導士以外は貸出不可。
魔導士であれば閲覧・立ち入り・貸出可。
閲覧・立ち入りは一般でも可。貸出は不可。
誰でも閲覧・立ち入り・貸出可。蔵書の約8割はこのランクに屬する。
つまり、アーサーの指摘通り、本を借りているという時點で、ピーター・カニンガムと言う人物が魔導士である事が明らかになる訳である。
「これまでの貸出回數は38回102冊。內、延滯は7回。悪質と言うほどではないが、ほぼ常習でもある。気になるのは、これまでは督促狀を送れば返卻されていたという事だな」
「だが、今回は3度も督促狀を無視してる……?」
グレンが眉を顰める。
「そうだ」
クレティアンが頷く。
「えっ、」
アーサーの顔が引き攣り、恐る恐る、ピーター・カニンガム宅のドアに視線を向ける。
ごくり、と唾を飲み込む。
「何が起きてもおかしくない。それは何も、大魔道図書館の中だけの話じゃない。気は抜くな」
「う、うん」
クレティアンの言葉に、アーサーが杖を握り締め、グレンは剣の柄に手を置く。
クレティアンが呼び鈴を鳴らしてから、「大魔道図書館の司書です。ピーター・カニンガムさんはご在宅でしょうか?」
聲をかける。
緊張感が漂う。
反応。
クレティアンはグレン、アーサーと目を合わせてから、ゆっくりとドアノブを摑み、回す。
鍵は掛かっていなかった。
「ピーター・カニンガムさん!……お留守ですか?」
聲を掛けながら、ゆっくりと扉を開ける。
「失禮します」
聲をかけて、慎重に中に入る。
「う。何、この臭い………?」
アーサーが鼻を摘まんで顔を顰める。
「確かに、臭いな」
グレンも顔を顰め、入り口脇のキッチン、その流し臺に腐りかけの魚の頭が転がっているのを見つけた。
少なくとも、數日は放置されていなければ、こうはならないだろう。
「えー。嫌だなぁ……」
「居たら返事をしてください」
アーサーとクレティアンがゆっくりと奧へと進む。
その後に続いて、グレンも前進する。
。
「――――っ!」
微かな音に即座に反応し、剣を構える。
「ど、どうしたの、グレン?」
恐怖に顔を引き攣らせ、指が白くなるほどぎゅっと杖を握り締めながらアーサーが振り返った。
クレティアンも壁際に身を寄せ、いつでも呪文を詠唱できるように身構えながら、辺りに視線を配る。
慎重に気配を探るが、何も感じられなかった。
「………。いや、気のせい、」
「お、驚かせないでよ、もう………」
アーサーが泣き
笑いのような表情を浮かべながら、奧へ進む。
その足が、何かに躓いた。
「、ひぃっ?」
足元を見たアーサーが顔面を蒼白にして、飛びのく。
アーサーが蹴ったのは、人の頭だったのだ。
よく見れば、床に一人の男性がうつ伏せで倒れていた。
「ひぃっ、し、死體っ……!?」
アーサーがその場で腰を抜かす。
だが、その時、男性の指がぴくり、と動いた。
「っ!いや、待て。まだ息がある!」
はっ、とした表情でクレティアンが近寄り、男性の鼻先に手を翳す。
「貴方が、ピーター・カニンガムさんですか?僕たちは大魔道図書館の司書です。大丈夫ですか?」
「ぅ……あ、ああ………」
クレティアンの聲に反応し、微かに、男性が呻く。
「アーサー!水を!」
「う、うん」
クレティアンの指示にアーサーが蛇口に飛びつくが、捻っても水が出ない。
「な、」
慌てながら辺りを見渡すと、大きな甕が目に入った。
蓋を開けてみると、中にはピンク色の水が並々と入っている。
「うえ。何これ………」
思わず硬直する。
と、その瞬間、甕の中の水面が大きく揺れて。
いきなり、水の塊が飛び出してきた。
「えええええっ!」
叫びながら、アーサーが逃げる。
水の塊は空中でぐにょぐにょと形を変え、大きな手となって、逃げるアーサーを摑む。
「ぎゃぁぁあっ、た、助けてぇぇっっ、おぼっ!」
叫ぶアーサーの顔面が、ピンク色の水に覆われる。
息ができず、苦しそうに藻掻くアーサー。
必死に喉元を掻き毟るが、水の塊を剝がす事ができない。
「アーサー!」
グレンが駆け寄り、剣を振るう。
だが、水の塊に、物理攻撃では効果がない。
「ちっ、クレティアン!」
「わかってる!」
「や、やめ……」
氷魔法を詠唱するクレティアン。
その腕を、ピーターさんが摑む。
「や、!」
ピーターさんはクレティアンを抑えながら、ピンク色の水に向かって聲を上げる。
水の塊はぴくっ、と震えた後、アーサーを解放した。
「ぐほっ、げほっ、ごほっ、、死ぬかと思った……」
喉を抑えながら、アーサーが喘ぐ。
「も、戻り、大、丈夫、だから……」
苦しそうな聲音で、ピーターさんが命じると、水の塊は逡巡するように空中でぐにょぐにょと形を変えた後、吸い込まれるように甕に戻っていった。
「」
「大丈夫ですか、ピーターさん!」
「うぅ……み、水と、食事を……」
。
ごくごくごくっ。
グレンが買ってきたパンと水をあっという間に胃に納めて、「」
ピーターさんは満足そうな吐息を吐き出す。
「落ち著きましたか?」
その様子を見て、クレティアンが尋ねる。
ピーターさんはバツが悪そうに、首筋を掻きながら頷いた。
「はい、面目」
「改めて確認ですが、ピーター・カニンガムさんですか?」
「はい。僕がピーター・カニンガムです」
ピーター・カニンガムは30代半ばの、人のよさそうな普通の男性だった。
「わざわざご足労い
ただいて、申し訳ないです。本ですよね。今、お持ちします」
へこへこと頭を下げながら、席を立ったピーターさんは本棚から1冊の本を取り出して戻ってきて、テーブルの上に置く。
「これが、お借りしていた本です」
「失禮します」
一禮して、クレティアンが本を調べる。
魔導書の中には高値で売れるものも多く、中には表紙だけ殘して中身をすり替える悪質な者もいるのだ。
ピーターさんはそんな事をするようには見えなかったが、萬が一という事もある。
確認は必要だった。
ぱらぱらとページを捲って丁寧に確認する。
「確かに。間違いありません」
「遅くなって申し訳ないです」
「いえ」
本を鞄に仕舞い、クレティアンが立ち上がる。
「それでは、僕」
「ちょっとちょっと!クレティアン!あれ、スルーする気?」
口を挾んだのは、アーサーだった。
甕を指差し、叫ぶ。
クレティアンは眉間に皺を寄せて、「僕たちの仕事は貸出本の回収だ。ペットの問題は、関係ない」
「ペット!あれ、ペット?どう見ても、スライムでしょ!そもそも、ピーターさんが借りてた本は『誰でも簡単!スライム合成のやり方』!どう見ても、その本見て、合成したスライムでしょ!」
「はぁ、まぁ、あはは」
ピーターさんが、首筋を掻く。
「なかなか可愛いでしょう?僕は魔物愛好家の端くれとして、一度は自分で魔物を生み出すのが夢でして。何度も失敗してきましたが、漸く成功したのがライムなんです。まぁ、食費が嵩んだせいで、水道まで止められて。危うく餓死するところでしたが。あはは」
「『あはは』じゃなくてっ!王都の中では、『魔物の飼育は禁止』でしょっ!」
「なら、警備隊にでも通報しろ。僕たちの管轄外だ」
「や、やめてください!」
クレティアンの提案に、ピーターさんが血相を変える。
「け、警備隊に連絡されたら、ライムは殺されてしまうっ!」
「僕は襲われたんですよ?あのままだったら、僕こそ死んでたっ!」
「それは……申し訳ありません。でも、あれは僕を守ろうとしてくれたんです。貴方が僕に危害を加えると誤解して」
「危害を加えるだなんて、僕は何も………あ」
反論しようとして、アーサーが固まる。
「あ」
クレティアンとグレンも、同時に。
倒れていたピーターさんの頭を蹴ったのは、アーサーだ。
不可抗力だったとはいえ、ピーターさんに対して危害を加えたと見做せない事もない。
「お願いしますっ。ライムを見逃してください!とっても優しい子なんですっ!」
ピーターさんが、クレティアンの袖に縋る。
「厳しい事を申し上げるようですが、ピーターさんの生活力」
「ライムです!」
「…。ライムを、養っていくのは難しいのではないですか?」
「そ、」
痛い所を突かれて、ピーターさんががくんと項垂れる。
「なぁ」
そこへ、口を挾んだのはグレンだった。
全員の視線が、グレンに集中する。
「大魔道図書館
で預かるのはどうだ?」
「何………?」
「ピーターさんが養うのは、また今回のような事が起こる可能性を考えると難しい。でも、警備隊に突き出して殺してしまうのもしのびない」
「」
グレンがそんなことを言うのがよほど意外だったのだろう。
クレティアンもアーサーも驚きの表情を浮かべている。
「俺は、赤ん坊の頃、『スラム街』の孤児院の前に捨てられていた。親が誰かもわからない。勝手な理由で作った子供を、捨てるような親だ。興味もない。だが、俺は生きている」
グレンは甕に歩み寄り、蓋を退かして、手を差し出す。
その手に、スライムが伸びてきて、絡みつく。
「こいつだって、同じだろ。どんな理由で生み出されたにせよ、生きている事には違いない」
「グレン……」
「生」
いつになく深刻なグレンの聲音に、クレティアンは迷うように視線を虛空に巡らせた後、はぁ、と嘆息する。
「『研究目的』という事なら、大魔道図書館內で飼育する事も認められる可能性はある。館長に一度相談してみるぐらいは、いいかもしれない」
「っ、クレティアン!」
アーサーが目を剝き、グレンは微かに頷く。
「ありがとうっ、ありがとうございますっ!」
ピーターさんは、涙を流しながら三人それぞれの手を握って、何度も何度も頭を下げて、禮を述べた。
鈍い音を立てて、ピーターさんの家から背負ってきた甕を置く。
「はぁ。死ぬかと思った……」
ぐりぐりと肩を動かすと、ばきばきと骨が鳴る。
ここは、司書寮內のグレンの居室である。
大魔道図書館に戻り、館長に任務の完了報告と併せて、ライムの件を相談した処、言い出しっぺであるグレンが面倒を見るなら、と言う條件で、ライムを預かることを認められたのだ。
「ご主人様って、意外と優しいんだぁ」
ベッドに腰を下ろしたシャノンが、にやにやと笑いながら言う。
「煩い」
頬が熱くなるのを感じながら、甕の蓋を開ける。
「今日から、ここがお前の家だ。ピーターさんと會えなくなるのは寂しくなるだろうが、我慢しろよ。ピーターさんも頻繁に様子を見に來ると言っていたから」
聲をかけると、ピンク色の水面に戸惑うかのように波紋が広がる。
「……そうだ。いい機會だから、昨日説明しなかった私のもう一つの能力【淫魔化】についても説明しちゃうね」
「…【淫魔化】?」
椅子に腰を下ろし、ベッドに座るシャノンに視線を向ける。
「そう。【魅了】や【発情】は基本的に魔物には効かないんだけど、【淫魔化】は逆に魔物にしか効果を発揮しない。能力の効果は、名前の通り、淫魔にしてしまうという能力ね。簡単な【魅了使えるようになるわ」
「。まさか……」
話の流れの先を察して、グレンの頬が引き攣る。
一方、シャノンは悪い笑みを浮かべていた。
「その子、ライムだっけ。【淫魔化】しちゃわない?」
「鬼畜か。このスライムは、貰ったんじゃなく、預かっているだけなんだぞ」
「別にいいんじゃない?【淫魔化】すると可愛くなるし、知的レベルも上がって、意思疎通ができるようになるんだから。あのピーターとかいう人も、むしろ喜ぶと思うけど」
「」
「それに、スライムなんて魔物の中では最弱なんだから、何かあったらすぐに死んじゃうし。ある程度、自分で判斷して動ける方が生存確率は上がるってものよ」
「危険な目に遭うとでも?」
「ここは大魔道図書館でしょ。何が起こってもおかしくない」
「いや、だがなぁ」
「まぁまぁ。モノは試しっていうじゃない?」
「試しって……戻せるのか?」
「戻せないよ?」
「悪魔め………」
「はぁい、淫魔でぇす♥」
きゅぴーんと、目元にピースを當てるポーズを決めてから、るんるん♪と甕に近づく。
警戒するようにざわめく水面に指を突っ込んで、「貴女だって、守られてるばかりじゃなくて、大切な人を守りたいでしょ?」
先ほどまでのふざけた態度とは打って変わった真面目な口調で語りかける。
水面のざわめきが、徐々に鎮まっていく。
「大丈夫。怖くないから」
シャノンが優しく微笑み、その體から魔力が放たれる。
「【淫魔化】」
その魔力が、シャノンの指先を通じて、ライムへと流れ込む。
ぼふんっ。
「うおっ」
いきなり、甕の中から煙が噴き出す。
「な、なんだ?大丈夫なのか?」
「大丈夫♪大丈夫♪」
やがて煙が収まっていく。
「?」
「はぁい、ライムちゃん。怖がらずに、出」
シャノンに促され、甕の中からピンク色の半透明な手がゆっくりと出てくる。
やがて、おずおずと言った様子で、顔を出す。
それは、紛れもなく、女の子だった。
髪も、肌も、目も、すべてがピンク色で、向こう側が朧げに透けて見える。
「大丈夫。怖くないよ」
シャノンが手を差し出すと、不思議そうな顔をしつつ、自身の手を差し出し、握る。
「わぁ。なんか、ぷにぷにしてて気持ちいい♪はい、出」
シャノンに手を引かれながら、ライムが甕の外に出てくる。
「う………」
ライムは當然ながら全裸だった。
細い肩も、思いの外大きな乳房も、滑らかなお腹も、引き締まった腰も、小ぶりなお尻も、すらりと伸びる腳も、女性の大切な部分も。
すべてが、露になっている。
その姿に、頬を赤く染めながら、グレンは目を背けた。
「何、照れてんの、ご主人様。ちゃんと見てあげてよ」
「っ、だ、」
「ライム。私はシャノン。よろしくね」
「?」
ライムが小首を傾げながら、シャノンを見上げる。
やや舌ったらずな印象だが、可愛らしい聲だった。
淫魔になりたてだからなのか、ピーターさんが合成してから3か月しか経過していないからなのかはわからないが、まだ精神年齢はかなり幼いようだ。
「そう、シャノン。それで、あそこにいる顔真っ赤にしている、むっつりスケベなおにーさんが、グレン。私たちのご主人様よ♪」
「おい。誰がむっつりスケベだ」
シャノンの物
言いにクレームをつけるが、にやにやされるばかりでスルーされる。
「御主……人様……?」
「そうそう。賢いねー、ライムは」
シャノンが、頭を撫でてやると、「ライム……賢い……?」
「ええ、そうよ」
「えへへ」
嬉しそうにはにかむ。
(か、可愛い………)
その様子を橫目に眺めながら、グレンの口元も緩んでいた。
孤児院で共に育った子供たちの姿が思い浮かぶ。
(元気かな……)
「ねぇ、ライム。お腹は減ってない?」
「お腹」
自身のお腹を抑え、悲しそうな顔をするライム。
シャノンはうんうんと頷きながら、グレンを指差す。
「ご主人様が、ご飯くれるって」
「?」
「そう。美味しいご飯♥」
「ごはん……食べたい……」
ライムが、グレンを見る。
「、獲物を見るような目は一體……」
嫌な予感にグレンの頬が引き攣る。
シャノンが悪戱っぽい笑みを浮かべる。
「【淫魔化】したばかりだと、お腹が減ってるの。だから、すぐにご飯をあげなきゃいけないのよ」
「ご、ご飯って……?食堂……?」
「何言ってるの、ご主人様。淫魔のご飯と言ったら、男の精液に決まってるでしょ」
「や、?」
「ふふ、さぁ、ライム。どうぞ召し上がれ♪」
「うん。」
ライムが禮儀正しく手を合わせる。
次の瞬間、どひゅっという擬音と共に、その體から幾本もの觸手が勢いよく飛び出す。
「ひぃっ……!」
逃げようとするグレンの両腕、両足にゼリー狀の觸手が絡みつく。
確かに、その感觸はぷるぷるとしていて、気持ちがいい。
だが。
!
「ふ、服が……溶けてるっ!」
觸手が絡みついている部分の服が溶け出していく。
「う、」
逃げようともがくが、觸手はどんどん絡みついてきて、足も地面から離れてしまう。
幸い、肌に觸れても溶けるような事はなかった。
しかし、觸手に觸れている部分が熱く、敏感になっていく。
どうやら、ライムの粘液には邪魔なものを溶かし、觸れた場所の感度をあげる効果があるらしい。
じたばたともがいても、無駄な抵抗に終わり、あっという間に全裸にされてしまう。
露になり、感度も上げられてしまった素肌の上を、ぷにぷにの觸手が這い回る。
ずりゅっ、ずりゅっ、じゅぷっ、じゅぷっ、「あっ♥熱」
觸手が擦れるだけで、快感が走る。
「」
全身をやわやわと優しく揉まれる。
はっきり言って、極上の感覚だった。
觸手に絡みつかれるという未知の體験に引き攣っていた顔も、徐々に蕩けていくほどに。
あっという間に股間に血が流れ込んでいき、肉棒がそそり立つ。
その肉棒が、筒狀になった觸手にずぶずぶと飲み込まれる。
まるで蛇に丸飲みにされているような。
その様を表すならば、まさに捕食と言う言葉が相応しいだろう。
「!」
ゼリー狀の感覚に包まれ、淫らに咀嚼され、優しく揉みたてられる。
これまでに経験した事のない感覚に、空中で思い切り背を仰け反らせる。
やがて、股間の
部分にスライムが集まり、ぐにょぐにょと形を変え、ライムの胸から上が形作られる。
肉棒はちょうど、彼女の口に咥えられている狀態だ。
「あっ♥しゃっ、」
形や硬さを変えることで、器用に再現された口內。
唇に締め付けられ、舌が絡みつき、優しく啜られる。
高い再現度によって齎される快楽が、背筋を駆け上がっていく。
さらに、睪丸が掌中に収められ、優しく揉みたてられる。
「、気持、これ、悽」
「ふふ、ご主人様、ライム。あんまり大きな音を立てると他の部屋に聞えちゃう可能性もあるから、ご主人様のお口、塞いであげて♥」
「うん♥」
シャノンの言葉に、ライムがこくりと頷く。
グレンの眼前に、スライムが徐々に寄り集まっていく。
「?……っ!」
怪訝そうに眉根を寄せたグレンの目が見開かれる。
グレンの眼前で形成されたのは、乳首まで器用に再現された大きな乳房。
(お、!)
そのおっぱいが、グレンの顔に覆い被さる。
「」
顔中が柔らかな感觸に包まれ、口內には乳首が挿入される。
思わず吸い付くと、どろり、と甘い疑似母乳まで滲み出る匠の代物である。
()
さながら、幼児退行してしまったかのように蕩けた顔で、夢中になって乳首にしゃぶりつく。
ライムの頭は動いていない。
しかし、その口內に咥えられた肉棒周辺の粘液を前後に動かす事で、ストロークを器用に再現していた。
「」
さらに、グレンの乳首にも細い觸手が吸い付き、身をくねらせるようにしてくすぐり、甘噛み、引っ掻き、吸引など様々な快楽を與えていく。
気づけば、體の半分ほどがスライムの中に取り込まれつつあった。
だが、そんなことも気にならないほどの夢のような悅楽に、グレンは蕩け切っていた。
あっという間に射精欲が込み上げてきて、爆発する。
「(出るぅぅぅっ♥)」
頭の中が真っ白になるほどの悅楽。
「」
頭を塞いでいたおっぱいが消え、肉棒を咥えたライムの姿が見えるようになる。
そのピンク色の半透明な體の中に、點々と白いものが浮かんでいる。
それが、あっという間に吸収され、消えていく。
吐き出したばかりの精液が、ライムの食事となったのだ。
「……どう、ライム?ご主人様のお味は?」
シャノンに尋ねられて、ライムが無邪気な笑みを浮かべる。
「おい、しい……♥」
「だって。良かったね♪ご主人様」
「あ、ああ……」
シャノンにそう言われても、正直なんと答えたらいいのかはわからなかった。
だがまぁ、ライムの笑顔を見られるなら、悪くない。
そう思っていると、シャノンが、「ライム。お腹一杯になった?」
ライムの頭を撫でてやりながら尋ねる。
すると、ライムは首を橫に振り、「まだ……お腹、」
そう言いながら、こちらを見てくる。
ぺろり、と舌なめずりをする姿が意外にも妖艶で、鼓動が高鳴ってしまう。
「グレン……様」
上目遣いで可愛らしくおねだりしてくるライム。
このおね
だりを斷れる男など、果たしてこの世にいるだろうか。
「あ、ああ、腹一杯になるまで、好きなだけ食べてくれ」
「いいの……?」
「ああ、いいぞ」
「やったぁ♥」
ライムの嬉しそうな笑顔に、こちらまで幸福な気分になる。
「あらら。太っ腹ぁ、ご主人様♪でも良いのかな、そんな事言っちゃって」
シャノンが半ば呆れたように肩を竦める。
その反応に、急速に不安が込み上げてくる。
「?」
「さぁ?」
「まさか、吸い殺されるなんて事は………」
「そうならないように、頑張って♥」
ぽん、と肩を叩かれ、「じゃ、私は眠くなってきたから、寢るね♪」
その姿が消える。
「あ、ちょ、!」
「えへへ。グレン様、大好きぃ♥」
射精し、一度は拘束が緩めになった四肢に、再びねっとりとスライムが絡みついてくる。
「」
敏感になった肌がぐちょぐちょ♥もちゅもちゅ♥と揉みたてられる快感に、あっという間に肉棒が元気を取り戻していく。
「いただきまぁす♥」
ライムが大きく口を開き、一気に肉棒を飲み込む。
じゅるるるるるるるっ♥ちゅばっ♥ちゅぷんっ♥ぢゅるるるっ♥むっちゅぅぅぅっ♥んむっ♥♥ぢゅるるるっ♥ちゅぶっ♥ちゅぱっ♥「あひぃぃぃぃぃいっっ♥♥」
いきなりの激しすぎる吸引と渦のような舌使いに、びくびくと體を震わせながら仰け反る。
「あ。靜」
ライムが少しだけ慌てたように、グレンの口に觸手を突っ込んで蓋をする。
「」
叫ぶ事すら許されずに、激しすぎる責めに曝されて。
限界は一瞬で訪れた。
激しい射精。
今度は、先ほどのように視覚を塞がれていない分、ライムの口內で肉棒が震えながら白濁液を噴射している様子がよく見えた。
じゅるるるるるるるっ♥ちゅばっ♥ちゅぷんっ♥ぢゅるるるっ♥むっちゅぅぅぅっ♥んむっ♥♥ぢゅるるるっ♥ちゅぶっ♥ちゅぱっ♥「」
まだ、射精が続いているにも関わらず、ライムは責めを一切緩めない。
肉棒を、睪丸を、乳首を、そして媚薬成分を含んだ粘液で感度を上げられた全身の肌を時に激しく、時に優しく、時にさらりと、時にねっとりと、多種多様な方法で愛撫され、射精が終わらないうちから、次の射精へと追いやられる。
「じゅるるるるるるるっ♥ちゅばっ♥ちゅぷんっ♥ぢゅるるるっ♥むっちゅぅぅぅっ♥んむっ♥♥ぢゅるるるっ♥ちゅぶっ♥ちゅぱっ♥「」
じゅるるるるるるるっ♥ちゅばっ♥ちゅぷんっ♥ぢゅるるるっ♥むっちゅぅぅぅっ♥んむっ♥♥ぢゅるるるっ♥ちゅぶっ♥ちゅぱっ♥「」
じゅるるるるるるるっ♥ちゅばっ♥ちゅぷんっ♥ぢゅるるるっ♥むっちゅぅぅぅっ♥んむっ♥♥ぢゅるるるっ♥ちゅぶっ♥ちゅぱっ♥「――――」
終わらない射精地獄に、意識が黒く塗り潰されていく。
じゅるるるるるるるっ♥ちゅばっ♥ちゅぷんっ♥ぢゅるるるっ♥むっちゅぅぅぅっ♥んむっ♥♥ぢゅるるるっ♥ちゅぶっ♥ちゅぱっ♥それでも、ライムの食事は終わらない。
ぐった
りとしたまま動かなくなったグレンの體を愛撫し、肉棒を奮い起こし、ひたすらに精を貪り盡す。
そんな時間が、永遠に続くかとも思われた頃、漸く、その時が訪れた。
「ふぅ~、はふ♥お腹一杯♥」
全身の半分ほどが真っ白になった所で、ライムは満足そうな吐息を盡き、途中からぐったりとしたまま動かくなってしまったグレンをベッドに橫たえる。
心なしか、ちょっと痩せたように見える。
「ごちそうさまぁ、グレン様♥」
感謝の意を込めて、ちゅっ♥と頬にキスを贈り、ライムは甕の中へと戻っていった。